第十六章〜闇の内部に飛び込んで〜
第八十三話
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が全く違う話の展開を作ったから、バグが生じてあんな黒いのが出てきちゃったわけ?
日食から切り替わらないのも、その影響ってこと?」
「その通りだ。全て卿がこの一年のうちに起こした出来事の結果だ。
過去にどのような展開を迎えていても構わなかったのだが、ゲームとして成立しているこの時間に関しては、
何があっても独自のルートを作ってはならなかったのだよ。
だからこそ、なるべく物語の進行から遠ざけようとしたというのに……
何の為に、奥州から引き離すように操作をしたのか分からないではないか」
「ちょ、ちょっと待って! ってことは、あの政宗様の行動は……」
コイツが手篭めにするように操作をして動かしたってわけ? ってか、乙女の貞操なんだと思ってんだ、この野郎。
「……だが、卿が関わり過ぎたお陰でもう一つ困った事態になってしまった」
「何だってのよ、一体」
松永は私の問いにすぐには答えず、一呼吸置いてから口を開く。
「卿のその身体、元は一体何から出来ていると思うかね」
何から? また訳のわからないことを。ゲームの世界だから数字で出来てるとか言い出さないでしょうね。
「竜の右目、素体を弄ってデータを書き換えて創り上げたのが卿だ。
所謂、チートキャラという奴だ。……二度ほど、雷の力を発生させたことがあるだろう。
そして、石田との戦いでは竜の右目の婆娑羅技を使っただろう?」
「ってことは……私の身体は元々小十郎のものだから、自然と出来たってわけ?
ってことは、重力の力は後付けで、本来は雷の力を持ってると」
「そういうことだ」
何てこったい。小十郎をベースに私の身体が作られてたってことかよ。
じゃあ、この中途半端な身体もそのせい? いや、そうじゃなくてあの神様が純粋に女を知らないからなような気がするけどなぁ。
「この世界はゲームの世界、プレイヤブルキャラクターからモブの一人に到るまで、皆演者として存在している。
つまり、全て規定の範囲内で動いている、というわけだ。それは謂わば魂の無い人形と言って差し支えない。
だが、“片倉小十郎”のデータを改変して作られた卿が、本来の“片倉小十郎”と深く関わっていくうちにそれが重い負荷となり、
本来ならば絶対に有り得ない、そして起こってはならない事態が発生してしまった」
どうにもこの人言ってることが良く分からない。
出来ることならばもっとわかりやすく噛み砕いて言ってもらいたいもんなんだけどなぁ。
「だからどういうこと?」
「……人という生き物の根底には、魂というものが存在するという。この片倉小十郎の中には魂が生まれてしまった。
ゲームのキャラクターではなく、自身を生きた人間と錯覚して創り上げてし
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