第二章
[8]前話
ポルコヴィッチはその話を自宅で同僚達と共に振り返っていた、妻が作ってくれたつまみを食べてウォッカを飲みながら話をしていた。
その中でだ、彼は自分達の傍で丸くなっている薄茶色の毛で口の辺りが黒い中型の耳が立った犬とだった。
四匹の黒い犬達を見た、そのうえで同僚達に話した。
「こいつ等も大変だったんだよ」
「ポルコヴィッチさんの家族もですか」
「そうだったんですか」
「ああ、一年前に来たんだよ」
今はご飯を仲良く食べている彼等を見て話した。
「大雨の日に玄関先に親子でな」
「五匹で、ですか」
「そうだったんですね」
「母犬がまだ小さい四匹を連れてな、見付けてすぐに家に入れて身体を拭いたらな」
そうすればというのだ。
「子犬達、一匹は雄でニコラエっていって三匹は雌でマリア、デリラ、ライザっていうけれどな」
「ワン」
「ワンワン」
「ワンッ」
「ワフウッ」
四匹は仲良く食べながら尻尾を振っている、その中で声もあげた。
「四匹は家に入って身体拭いたらすぐに寝たんだよ」
「助かってほっとして」
「それで、ですね」
「そうしたけれど母親、ラムは見守っていてうつらうつらしながらも」
「ワン」
子供達を見て優しく鳴いた彼女を見て言う、それと共にというのだ。
「子供達を自分の後ろにやってな」
「ずっとですね」
「見守っていたんですね」
「そうだったんだ、それを見てな」
ポルコヴィッチはウォッカを飲みつつ話した。
「それでだよ」
「家族に迎えたんですね」
「そうされたんですね」
「ああ、最初は施設に入れてな」
そうしてというのだ。
「里親を探すつもりだったが」
「家族にされたんですね」
「そうされたんですね」
「ああ、そうしたんだ」
こう同僚達に話した。
「そうしたよ、これからもな」
「この子達とですね」
「一緒にですね」
「家族として暮らしていくよ、そして他の困っている犬達もな」
彼等もというのだ。
「助けていくな」
「そうしましょう」
「これからも」
同僚達も応えてだった。
彼等を見つつ乾杯した、幸せな五匹を見て飲むウォッカは格別だと思いつつ。
人の温もりと犬の家族 完
2022・4・27
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