第四十九話 自分しかない人間その三
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「皆ね」
「そうでしょ、そんなチームでね」
「川上さんもそうしてきたのね」
「それで生え抜きは残して」
長嶋そして王といった選手達だ、彼等は将来の監督候補として考えられて育成もされていたのである。
「スター扱いだったのよ」
「そうしたチームなのね」
「そして今ではね」
「あの有様ね」
「万年最下位のね」
「弱小チームになったわね」
「ええ、信用されない人は嫌われて」
そうなってというのだ。
「チームもよ」
「嫌われて」
「その結果ね」
「弱くなるのね」
「そうよ、その裏切った人達もね」
「嫌われてるのもんおね」
「当然よ、あと咲ちゃんはね」
咲自身にも言うのだった。
「告白して振ってもね」
「そうしてもなの」
「絶対に相手を傷付けたら駄目よ」
「幾らタイプでなくても」
「相手にだって心があるから」
それでというのだ。
「絶対によ」
「傷付けたら駄目ね」
「失恋自体が傷付くっていうでしょ」
「ええ、それもかなりね」
「その痛みに耐えられなくて自殺した人もいる位だから」
こうした話は昔からある、ウェルテルにしてもそうである。
「だからね」
「相手はなのね」
「傷付けないことよ」
「付き合えないにしても」
「間違っても相手に恥をかかせたり傷口に塩を塗る様な」
そうしたというのだ。
「傷付ける振り方はね」
「しないことね」
「絶対にね」
「傷付けたら自殺もするから」
「しなくても相手が傷付き過ぎて性格が変わったりとかね」
「そこまでなるのね」
「失恋はそこまで痛いものだから」
それ故にというのだ。
「出来るだけね」
「傷付けないことね」
「その振られた人は後で素晴らしい人と一緒になれてよかったわ」
「そうした人とお付き合い出来て」
「ええ、さもないとずっと傷付いたままで」
その心がだ。
「それが化膿して性格が歪んでいたわ」
「そうもなっていたの」
「心の傷はそれだけ危険なの」
そうしたものだというのだ。
「放っておくとね」
「悪くなって」
「心を歪めてしまうの」
そうしたものだというのだ。
「だからよ」
「私もなのね」
「そうした機会があったらね」
その時はというのだ。
「絶対によ」
「傷付けない様に断ることね」
「ええ、私はそうした機会がこれまではないけれど」
「それでもなのね」
「そうした傷付いた人のお話も聞いてるから」
だからだというのだ。
「それはよくないと思うから」
「私にもお話してくれるのね」
「今のお話を聞いても思ったから」
だからだというのだ。
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