第四十九話 自分しかない人間その二
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「駄目な人達よ、関わってもね」
「駄目ね」
「間違いなくね」
そうだというのだ。
「だから咲ちゃんもね」
「そうした人達とは」
「関わらないでね」
そうしてというのだ。
「近寄ったら駄目よ」
「そうなのね」
「ヤクザ屋さんも付き合ったら駄目だけれど」
「そうした人達ともなのね」
「そうよ、嫌われて当然だしね」
「信用出来ないと」
「しかも浅ましくて卑しいから」
そうした輩だからだというのだ。
「本当にね」
「嫌われるのね」
「私も嫌いよ、人は無闇に嫌うものじゃないけれど」
それでもというのだ。
「そうした連中はね」
「嫌われて当然ね」
「そうよ、だから私からも言うわ」
「そんな人達とは付き合ったら駄目ね」
「そういうことよ、あとね」
「あと?」
「本当にそういう人って自分だけなのよ」
咲の両親が言う通りにというのだ。
「川上さんだってそうだったしね」
「あの人もなのね」
「現役時代はチームが負けても自分の打率がよかったら平気だったそうだし」
「自分がよかったらだったのね」
「成績に関係のない守備は全然やる気がなかったそうだし」
守備位置はファーストだった、グラブを構えた位置でした捕球しなかっただの打球を追わずすぐにベースに入っただの言われている。
「監督になって勝ったら自分の評価が上がるなら」
「言うこと変わったの」
「チームプレイだってね」
「本当に変わり身の早い人だったのね」
「だから人望は全くなかったそうよ」
与那嶺要に至っては彼が中日の監督だった頃選手達にさん付けで呼ばず仇名で呼べと言っていたらしい。
「実績は凄くてもね」
「そうした人だったから」
「本当にね」
「信用もされなかったのね」
「されると思えないでしょ」
「ええ」
咲も否定出来なかった。
「とてもね」
「丹波さんだってそうだったし」
「人間の本性ってね」
「凄い言葉よね」
「そうよね」
「そこまで言われた位だったから」
だからだというのだ。
「あの人を知っている人はね」
「嫌っていて」
「信じてもいなかったのよ」
「それで敵も多かったのね」
「かなりね、それでね」
その為にというのだ。
「今もこうしたことが言われてるのよ」
「よくないお話が残っていて」
「そうなの。私も好きじゃないしね」
川上哲治という人物はというのだ。
「巨人も嫌いだし」
「川上さんもなのね」
「そうよ、選手は使い捨てにしていたし」
「それ巨人らしいわね」
「巨人はそうしたチームでしょ」
「他チームから獲った選手はね」
FA等でそうしただ。
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