町も人も
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力が間違っているから、お父さんはエコナさんに注意を促したのよ!」
「努力が間違ってる…?そ、それはどういう…」
リュカは悲しい瞳でティミーを見つめ、溜息を吐いた…
そして重い口調で語り出す。
「町を育てるという事と、町の規模を大きくするという事とは、大きく異なるんだ…町の規模を大きくするだけなら、金さえかければ誰にでも出来る。建物を建てて、商店を誘致して、人々を呼び込めば自ずと町は大きくなるだろう…今、エコナがやっている様にね」
みんなの視線がリュカに集まる。
誰も口を出さない…静かにリュカの話を聞いている。
「町を育てるという事は、其処に住む人々と共に育たなくては意味がない!住民が必要としている物を造り、その為に住民が自らの意志で努力する…そうでなければ本当に住み易い町は出来上がらないんだ!町民が望まぬ物の為に、休む間も与えられず働く…果たして出来上がった施設を、町民達は好きになるだろうか?」
リュカは幼い10年間、奴隷としてセントベレス山の頂上で神殿建設を行わされていた。
奴隷から解放された今でも、リュカにとってあの神殿は嫌悪の象徴なのだろう。
「………だとしても、エコナさんは頑張っています!他人に丸投げして、一人サボっている何処かの国王とは違います!其処は評価するべきでしょう…父さんも、町民の皆さんも!」
(パシン!!)
「ティミー!貴方はリュカの事をそんな目で見ていたの!?」
突如ビアンカが立ち上がり、ティミーの頬へ平手打ちを喰らわせ叫ぶ!
「か、母さん…!?」
「ビアンカ、落ち着いて…ともかく座って…」
母に叩かれた左頬を押さえ呆然とするティミー…
そして涙を浮かべながら怒りを露わにするビアンカ…
リュカは二人を座らせ、優しく語り続ける。
「ティミー…憶えているかい?何時だったか、子供達全員でクッキーを作ってくれた時の事を?」
「…はい、憶えてます…」
「ふふ…じゃぁその時お前は、リュリュのクッキーをどのくらい食べてあげたんだ?」
リュリュのクッキー…
アルル達には何故その話題が出てきたのか分からない…
リュリュのクッキーが何なのか、皆目見当もつかない。
「………父さんの5倍は食べました」
「凄いな…あのクッキーをそんなに………じゃぁ次の質問だが、あのクッキーがポピーの作品だったら、お前は僕の5倍もの量を食べたかい?」
「いえ、ポピーの手作りだったら絶対に食べません!アイツに其処までしてやる義理はありませんから!」
「…お前…双子の妹なんだから、もう少し優しくしてやれよ………まぁいい…つまり、そう言う事だよ」
「はぁ?何がですか!?」
「エコナは町が大きくなる事を楽しんでるんだ!寝る間も惜しんで働いて、町が大きくなる事で喜びを得てるんだ。不味くても大好きなリュリ
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