第20話 正宗の軍師
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張感のない言葉に、適当に返しました。
「なら、アニキ、早くいこうぜ!」
猪々子は馬を急がせて、先行してしまいました。
やはり涼州産馬は普通の馬と違って、馬力が全然違いますね。
もう、あんなところに行ってしまっています。
「あっ!ちょっと文ちゃん。待ってー」
斗詩は慌てて、猪々子の後を追っています。
私と麗羽も取り残されない様に急ぐとします。
「麗羽、猪々子が先行したから、早く後を追おう。斗詩だけだと、猪々子の抑えにならない」
「猪々子さんは本当に困ったものですわね。仕方ないですわ。正宗様、急ぎましょう」
麗羽は指を眉間に当てて、想いに耽っていましたが、顔を上げ私に言ってきました。
私は麗羽に対し頷くと、麗羽と共に馬を走らせました。
私は未だ見ぬ孝敬里の地に胸を膨らませました。
今日もウザイ連中だった。
お前らみたいな豚どものに仕官なんかするわけない。
大体、母上も母上だ。
あの連中は売官で地位を買った連中で、民草から搾取することしか知らない。
どうせ裏では宦官どもと通じているに違いない。
アタシは誰とも関わりたくない。
母上が五月蝿いから、あの連中に会ってやったけど、いい加減にして欲しい。
アタシは今、いつも通り部屋に引き蘢っている。
どいつもこいつも私に笑顔で接してくるけど、本音は恐れている。
一度、アタシが苛ついて睨みつけたら、アタシを見るあの目今でも忘れない。
あの連中は、私が将来きっと朝廷の高官になるはずと思っているみたい。
未来の高官の不興を買うと不味いと本気で思っている。
あの連中、頭がおかしいんじゃない。
アタシは官吏にもなっていないのに・・・。
だからこそ、あの連中は今の内に手なずけて置きたいのだろう。
私の才気が普通じゃないらしいから、友達だっていない。
近寄ってくるのは、私に媚を売ってくる打算的な連中ばかり・・・。
考えるだけで、虚しくなる。
アタシは好きでこの才を手に入れた訳じゃない。
もう、誰とも関わりたくない。
この部屋の中で静かに暮らして行ければ、それで良い。
母上もそのことを理解してくれないかな。
アタシが仕官したところで、その才覚からいずれ疎まれるようになるに決まっている。
自分より優れ過ぎている人物を部下に持って、その人物を重用し続ける訳がない。
せいぜい利用されて切り捨てられるのが落ちだと思う。
かの高祖劉邦が元勲達を誅殺したようにね。
だから、アタシは仕官の話に興味なんてない。
こうやって、部屋に引きこもって、のんびり読書しているのが性に合っている。
こうしている
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