第二章
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「凄いな。十一キロなんてな」
「そうね」
「よくそこまで泳いだな」
「それで再会出来てよかったわね」
「全くだ、けれどな」
夫は妻に話した。
「うちだってそうだな」
「そうね」
「そうしたことがあったからな」
「この子達にね」
「ワン」
「ワンワン」
「ワンッ」
夫婦で見た方には三匹の犬がいた、白い年老いたポメラニアンに黒のスタンフォードシャーブルテリアに茶色のダッグスフントである。
その彼等を見てだ、夫婦は話した。
「チャッキーが落ちてな」
「うちのプールにね」
「俺達が家から帰ったら濡れていて」
「どうしたのかって思ってね」
「防犯カメラを確かめたら」
そうすればというのだ。
「凄かったな」
「そうね、チャッキーをね」
白いポメラニアン、十三歳の雄犬の彼を見つつ話した
「この子がプールから落ちて」
「それをな」
今度は雄のスタンフォードシャーブルテリアを見た。
「ジェシーとな」
「ジョニーがね」
茶色のダックスフントも見た。
「必死にね」
「プールサイドに駆け寄ってきて」
「そうして何とか助けようとして」
「そうしてな」
「何とかしようと考えて」
「最後はチャッキーの耳を咥えて」
そのうえでというのだ。
「ある程度引き寄せて」
「一旦引き揚げてな」
「そこから首の後ろをね」
「咥えてな」
そうしてというのだ。
「引き揚げてくれたな」
「完全にね」
「そうして助けてくれた」
「二匹でチャッキーをね」
「若し二匹がそうしていなかったら」
その時はというのだ。
「チャッキーも歳だしな」
「プールから出られなくなったし」
「それじゃあな」
「もうね」
それこそと言うのだった。
「危なかったわ」
「そうだったな、よくやってくれたよ」
「二匹共ね」
「アメリカでそうした話があってな」
「南アフリカにもあったな」
「私達のところでね」
こう話してだった。
二人は三匹にご飯をあげた、三匹は仲良く食べた。そこには何にも代え難い絆がはっきりと見られた。
落ちて助かった犬達 完
2022・4・26
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