第八十部第五章 秘密兵器その十一
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「いいな」
「今はロックオンをさせなかったのは」
「ロックオンをすればだ」
それがどういった攻撃でもだ。
「相手もわかるからな」
「何処から狙われているか」
「だからだ」
「これまでですね」
「攻撃目標を定めさせてもだ」
それでもというのだ。
「ロックオンをさせなかった」
「あえて」
「そうだ、あえてだ」
まさにというのだ。
「そうした、しかしな」
「これからですね」
「私の攻撃命令と共にだ」
「ロックオンをして」
「攻撃開始だ、艦艇への攻撃は一隻につきだ」
「一隻ですね」
「そして要塞や防御施設にはな」
「多くですね」
「複数の艦に攻撃させる」
その様にするというのだ。
「ではな」
「はい、これより」
「攻撃開始だ」
アッディーンは極秘通信で指令を出した、それはこれまでオムダーマン軍の中でも分艦隊司令即ち少将以上の者だけが知っているものの中でも特殊なものだった。
その指令と共にだった。
オムダーマン軍は動いた、ティムール軍はここでだった。
自分達の横そして後ろからロックオンを感じた、これに彼等はすぐに異変を感じた。
「ロックオンだと?」
「魚雷のものか」
「馬鹿な、側面には敵はいない」
「後方にもだ」
「上面にも下面にもだ」
「敵なぞいないが」
妙に思った瞬間にだった、その時に。
即座にだ、彼等が怪訝に思った方向からだった。
無数の魚雷が来た、思わぬ方向から来た魚雷に彼等は仰天し慌てて回避しようとした、これでこれまで鉄壁を誇ったティムール軍の方陣を連携させていた布陣が崩れ。
しかも多くの艦艇が魚雷攻撃を受けて爆発四散した、多くの艦艇が宇宙の塵となり炎と共に多くの命を巻き込み消え去り。
防御施設や要塞まで大きなダメージを受けた、この時代にティムール軍は瞬時にパニック状態に陥った。
「な、何だ!」
「今の攻撃は何だ!」
「正面以外から来たぞ!」
「伏兵か!」
「いや、レーダーに反応はない!」
見れば確かにだった、そちらへの反応はなかった。
「正面からしかない!」
「オムダーマン軍は我々の正面にしかいない!」
「では今の攻撃は何だ!」
「一体何だ!」
皆混乱状態に陥っていた、そしてだった。
そこに再び魚雷が来た、混乱状態に陥っているティムール軍にこの二撃目をかわすことは一撃目よりも困難だった。
その為再び多くの艦艇が複数の魚雷という槍に貫かれ炎と鮮血を撒き散らして銀河の中に消え要塞もだった。
あちこちから炎を噴き出していた、防御施設も動かなくなったものが増えていてだった、ティムール軍は呆然となった。
そしてそれを見逃すアッディーンではなかった、彼はここで全軍に命じた。
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