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竜のもうひとつの瞳
第十五章〜決戦! 関ヶ原の戦い〜
第七十七話
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私の前に出る。

 「あの者の相手はこの小十郎が。姉上は、前田と共に鬼島津を」

 「私も協力しよう」

 二対一、ってのは些か卑怯な気はしたけども、私達は倒す為にここにいるわけじゃない。
説得をするには人数が多い方がいい。
ってなわけで、小十郎と孫市さん、私と慶次の二人ずつに分かれて説得を試みることになった。



 鬼島津、そう名が知られるだけあってこの人はやっぱり滅茶苦茶強い。
慶次も何度も手合わせしてるけれど未だに勝てないんだよなとぼやいているくらい。
流石は小十郎が憧れるだけあるわ。こんな剣の使い手と手合わせ出来るのは武人として感激の極みだろうしね。

 ひょっとしてあの子、抑えが利かなくなるのを予想していたから私に鬼島津を押し付けてきたのか?
それだとするなら、よく分かってると褒めてあげないと。

 「島津殿!! 貴方のような勇者が何故西軍に着いたの!!」

 「持ってるもんの違いよ!! 家康どんは絆の力を持っちょるが、三成どんには何もなか。
生きることにも執着しておらんとね。オイは、三成どんの生き様を見守りたか」

 石田は何も持たない? だから見守ってる?

 「見守ってどうすんの!!」

 剣で大きく払って強引に間合いを取る。大振りの攻撃は隙が出来やすいが、それは一対一での話。
今は慶次が私のフォローに回っている。だから、鬼島津が突っ込んできても慶次がカバーしてくれるわけだ。
とりあえず一度私から切り離さないと、話をすることも出来ない。

 「家康を倒すことだけで生きることにも執着してない人間が、家康倒したらどうなるか……
目的を果たしたからって、その後希望を持って生きようとするわけないじゃないの!!
最悪自殺か精神崩壊か……家康を倒すことが生きる原動力なら、どうなったって良い方向には転ばないわ。
確かに見届けることも大切だけど、明らかに間違った道を進んでいると分かっているのならば、それを教え示し導くのが大人の役割でしょう!?」

 私も小十郎も、そうやって政宗様に道を示してきた。一度たりとも間違っていると思ったことを肯定したことはない。
そうやって政宗様が間違った道に進まないように、私達は揃って寄り添って時には厳しく、時に優しく接してきた。
私のことを手篭めにしようとしたことだって、結局最後には己が悪かったと間違いに辿り着いてくれた。
だから私はあの人がやろうとしたことは許していないけれど、政宗様を憎んだりはしない。

 私の言葉に少しばかり口を閉ざした鬼島津に、慶次が続いて剣を交えながら口を開いた。

 「じっちゃん! この戦を利用して、魔王を復活させようとしてる奴がいるんだ!」

 「魔王……? 信長どんをかね」

 「ここで死んだ人の命を
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