第二章
[8]前話
「世間の声あるでしょ」
「何で離婚とかお母さんにも問題あるとか」
「そうね、言われて気力もね」
こちらもというのだ。
「使うし。朝廷にも気力使うし」
「だからなのね」
「大変なの。その人も色々言われたのよ」
「旦那さんが浮気して離婚するのに」
「その人にも責任があるとか浮気された方が悪いとか」
「じゃあお父さんがああなのもお母さんに問題あるの?」
雛子はむっとした顔で言った。
「そんな筈ないでしょ」
「そう思われるのが世の中なのよ」
「悪くない筈なのに」
「言われるのよ、離婚となるとね」
「何も知らない人からあれこれと」
「直接言われなくても陰口として言われて」
それでというのだ。
「耳に入るから」
「嫌な思いするのね」
「それで疲れるから」
「離婚もすぐに出来ないのね」
「そうよ、あんたが卒業して働く様になって」
そうなってというのだ。
「気分がかなり楽になったから」
「それでなの」
「そう、今は気力もあるし体力も整えてきたから」
「私の卒業と就職に備えて」
「そうしてきたからね」
だからだというのだ。
「今はこうしてね」
「離婚調停も出来るのね」
「そうよ、ここで完全に離婚して」
母は娘に確かな顔と声で話した。
「もうすっぱりとよ」
「お父さんと別れるのね」
「そうするわ、どうしようもないから」
彼はというのだ。
「そうするわ」
「そうね。しかしあんな人でも別れる時に周りから自分も悪いとか言われるなんて」
雛子は難しい顔で言った。
「世の中理不尽よ」
「それもまた世の中なのよ」
さやかは娘に話した、そうして離婚すると周りの声はもう気力で弾き返して娘と二人での生活に入った。就職した娘とのそれはこれまでよりも遥かに楽で楽しくストレスもかからない幸せなものだった。
屑親父はどうしようもないが 完
2022・4・24
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ