第一章
[2]次話
屑親父はどうしようもないが
九条雛子の父である和博は文字通りのろくでなしである、無類の酒好きでしかも酒乱でギャンブル狂である。
家の金を勝手に使い込み暴力も振るう、それで遂に雛子の母であるさやかは重大な結論を下したのだった。
「お父さんと離婚するわ」
「そうしないと駄目よ」
雛子は母に言った、黒い髪の毛をおかっぱにしていて右の上のところを髷にしている。大きくぱっちりとした二重の目で眉は細く短めである。ホームベース型の色白の顔で唇はピンクで薄く普通の大きさである。背は一五四程で普通程のスタイルである。
「もうね」
「そうよね、というか何で今まで離婚しなかったの?」
雛子は母に問うた、自分と同じ顔の形で顔もよく似ているが黒髪は波がかっていて艶やかで背は一六七ありスタイルもいい母に。
「ずっと」
「あんたが高校を卒業するまではって思ってたの」
母は娘に項垂れた暗い顔で答えた。
「それでなの」
「私のことなんかいいのに」
「そうもいかないのよ」
母は娘に答えた。
「これがね」
「どうしてなの?」
「世間体があって」
「そんなのどうでもいいじゃない」
雛子は母の言葉に違うという顔で返した。
「別に」
「駄目と思ったらすぐに離婚すればいいっていうのね」
「お父さんみたいな人とはね。お家にお金も入れないし」
酒にギャンブルに家の金まで使ってというのだ。
「それじゃあね」
「そう言うけれどね」
「そうもいかないのね」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「待ってたの、けれどあんたも卒業して就職も決まったから」
「離婚するのね」
「ええ、そうするわ」
「何でそんなこと気にするのよ」
雛子は母が離婚する時を待っていたことが理解出来なかった、だが離婚と聞いてすぐに暴れ朝廷中も散々揉める父を見て。
そのうえで世間の声を聞いてわかった、それで母に言った。
「よくわかったわ、お母さんは離婚する時を待ったのか」
「わかるでしょ」
「離婚調停にも体力いるわね」
「そうよ、会社の同僚の人の離婚を見たけれど」
「ああだったの」
「その人の旦那さんが浮気してだったけれど」
それで離婚に至ったがというのだ。
「その人も物凄く大変だったのよ」
「相手が離婚したくないって言って」
「それで調停もこうしてね」
「浮気した人が悪いでしょ、お父さんだってね」
「完全に悪いってなるわね」
「それでもああしてごねるのね」
「何かとね、それでね」
母は娘にさらに話した。
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