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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第107話:奇跡を手にした者達
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え!」
「えッ!?」
「唄えってんだよ! クリスちゃんもだ! 透!」
「ッ!」
「透ッ!?」

 颯人と透の2人が、響に続いてシャトルの前に下りて共にシャトルを受け止めた。1人では無茶でも、2人3人揃えば不可能も可能になる。
 そこに愛する者の歌を糧とする魔法使いが加われば確実だ。

「絆! 心! 一つに束ね!」
「響き! 鳴り渡れ、希望の音!」

 愛する者、信じる者の為にシャトルの歌の装者達が唄う。その間にもシャトルは村の中を滑走し、道を削りながら正面にある建物へと突き進んでいく。

 その様子を本部から見ていた弦十郎は思わず叫んだ。南無三……と。

「信ず! 事を! 諦めないと!」

「ぬぅぅぅぅぅ! 透、響ちゃん! ここ正念場!」
「はい!」

 歌が響き渡る中、遂にシャトルが正面の建物へと迫る。

「唄え! 可能性にゼロはない!」

 奏の歌が――

「飛べよ!」

 翼の歌が――

「この奇跡に!」

 クリスの歌が――

「光あれぇッ!」
「おらぁぁぁぁぁっ!!」

 そして、響の歌と颯人の叫びが重なり、シャトルは持ち上げられ建物の真上を通過していく。
 だが僅かに距離が足りず、シャトルの機体が建物を押し潰しそうになる――――

「くぅっ!」

 その瞬間、パイロットがエンジンを噴射させ機体を僅かに持ち上げる事で姿勢を立て直した。その結果、建物を僅かに掠めはしたがシャトルは直立した状態で着地する事に成功する。

 足場だったシャトルが直立した事で、危うく落ちそうになった装者3人の内奏と翼はアームドギアを機体に突き刺し、クリスはそんな2人に支えられることで落下を防いだ。

「だは〜……」
「ふぅ、危ない危ない」
「任務、完了しました」

 翼が報告し、本部にもシャトルの無事が知らされた。難が去った事で、発令所には喜びの声や安堵の溜め息が響き渡る。

 その様子を、発令所の入り口近くに佇んでいたウィズが見ていた。

「…………フン」

 彼は小さく鼻を鳴らし、取り出そうとしていた指輪を仕舞い発令所を後にした。

 一方現場では、響と颯人、透の3人が大の字で地面に横になっていた。颯人と透の2人は、今ので魔力を使い果たしたのか何もせずに変身が解かれる。

 そこに奏達が3人を心配してやってきた。

「颯人、大丈夫か?」
「ん? あぁ、大丈夫大丈夫」
「透!」
「…………(こくん)」

 颯人と透は奏とクリスの手を借りて立ち上がる。だがただ1人、響だけはまだ大の字になったまま起き上がらない。

「無事か、立花!」

 翼が心配して問い掛けると、唐突に響が笑い始めた。

「ふふっ! ははははっ!」

 何が
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