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竜のもうひとつの瞳
第七十五話
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だろうけど……そうなると、大谷が戦を起こす理由は何だい?」

 そう、そこが実は不透明に思えてならない。

 「そりゃ、普通に考えりゃ自分が天下を取りたいから、じゃねぇのか?
豊臣の後継を名乗れるほどに位がねぇから、石田を上に立たせて自分が裏から天下を掌握しようとしているんだと思うが」
 確かに普通に考えればそうだ。でも、そうすると第六天魔王を復活させようとする意図が分からない。
復活したどさくさに紛れて天下統一を果たすつもりだとしても、この世を魔界にしようとしたそんな厄介な者を蘇らせてその後どうするんだろう。
実際に会った事があるわけじゃないけど、方々で話を聞く限りじゃただのおじさんってわけじゃなさそう。
だから後処理が結構大変なんじゃないだろうか。簡単に操れそうなものでもなさそうだしさぁ。

 「まさかとは思うけどもさ、魔王を復活させる為に戦を起こそうとしてる、ってことは」

 それならばまだ話は通る。
魔王を復活させる為のカモフラージュとして戦を起こすというのならば、
家康さんさえ討てれば後はどうでもいいっていう石田を使うのは妥当だと思う。

 でも、どうして魔王なんか蘇らせようとしてるわけ? 結局そこら辺が分からない。
どういう仮定を持って来ても、一本に筋が通らないのよね。まぁ、多分情報が足りないんだろうけど。

 「大阪城へ行ってみよう。大谷に会えば、全てがはっきりする。ひょっとしたら、雑賀衆も大阪城にいるかもしれないし」

 ここでいろいろ考えても推論の域を超えられない。確かな答えを導くには情報が足りなさ過ぎる。
それならば、いっそのこと忍び込んで目的をはっきりさせてもいいだろう。時間も無いことだしね。

 私達はアジトを抜けて、大阪城に向かって走り出した。
空を飛びたいところではあったけど、もう日が出ている以上、そういうわけにもいかない。
下手に敵に見つかって攻撃されても面倒なだけだしね。

 大谷吉継……何を考えて魔王復活を企んでるのか知らないけど、阻止させてもらうわよ。
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