第十九話 三つ葉のクローバーその十四
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「幸福、幸せはね」
「何処でもあるのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そうしたものよ」
「それでその傍に沢山あるものをなの」
「手にしていくといいんじゃない?」
「沢山の幸福を」
「クローバーはその辺りにあって」
それこそ草があるそこにというのだ。
「三つ葉はね」
「そうね、本当に沢山あるわね」
「その沢山の幸せをね」
「私達は手に入れればいいの」
「そう思うわ、ましてクローバーは摘んでも」
そうしてもというのだ。
「根があるとね」
「また生えるわね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「幸せは幾らでもね」
「手に入るの」
「限りがあるかっていうと」
「そうでもないのね」
「けれど持てる量には限りがあって」
かな恵は今度はそちらの話もした。
「持てるだけ持ったら」
「それでなの」
「もうクローバーはね」
即ち幸せはというのだ。
「持てるだけ持てば、それでね」
「それで?」
「そう、満足してるんじゃない?」
こう言うのだった。
「その時はね」
「まあね、周りが幸せばかりだとね」
そうだととだ、一華はかな恵に答えて言った。
「もう満足ってね」
「なるわね」
「幾らお腹が空いていても」
それでもというのだ。
「美味しいものをお腹一杯食べたら」
「それでよね」
「それ以上食べられないから」
そうなってというのだ、誰でも食べる量はそれぞれであれば満腹すればそれ以上食べることは出来ない。
「もうね」
「それで満足するわね」
「それはお金もそうで」
「他のこともね」
「藤原道長さんも」
藤原家の中で最も権勢を誇った彼もというのだ。
「あの和歌詠んだわね」
「月にどうとかね」
「あの和歌実はもう満足ってことらしいけれど」
「権勢を誇ってね」
そうなってというのだ。
「それでね」
「満足したわね」
「そうなったっていうから」
だからだというのだ。
「そりゃ何処までなら満足するのって人がいるけれど」
「大抵の人は満腹になって」
そうしてとだ、一華は言った。
「もうそれでね」
「満足するわね」
「幸せも同じね」
「満足するわよ」
「沢山あったら」
「それでね」
「それで満足したら」
そうなればというのだ。
「もうそれでよし」
「そういうことね」
「そしてそうなる為には」
かな恵は幸せに満足する為にはとも話した。
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