第十九話 三つ葉のクローバーその十三
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「流石に北朝鮮はあんまりな例でも」
「それでもね」
「戦争はよね」
「アフリカとかでまだあるでしょ」
「そうよね」
「最近までバルカン半島がだったし」
内乱が続いていた、元より火薬庫とまで呼ばれる程民族や宗教、文化の対立と大国の介入が激しかったがそれがまた表面化したのだ。
「それでアフリカだとね」
「まだ戦争とかあって」
「他の地域も何時ね」
「戦争になるかわからないのね」
「ちょっとしたことでね」
かな恵はそれでと述べた。
「なるから」
「日本でもよね」
「今は平和でもね、けれど戦争がないなら」
「それだけでなのね」
「やっぱりいいから」
「それで北朝鮮みたいな国でなかったら」
「それだけでね」
この二つの条件を満たしていればというのだ。
「幸せよね」
「何気ない様で大事よね」
理虹はかな恵のその言葉に頷いた。
「ガチャじゃないけれど」
「うん、生まれた環境ってどうもね」
「大事なのね」
「それで全部決まるとは思わないけれど」
かな恵は理虹に考えつつ答えた。
「やっぱり何処に生まれるか」
「それって大事なのね」
「とんでもない国にも戦争のない国にもね」
「どっちも産まれたら大変で」
「そうした国でないだけでね」
「全然違うのね」
「バルカン半島なんて酷かったから」
かな恵は顔を曇らせて語った。
「殺し合いとかじゃなくて」
「女の子としては言いたくもないことも普通で」
「頭おかしいというかね」
「吐き気がするわね」
理虹は本気でこの言葉を出した。
「あそこのお話は」
「あんなところにいたくないでしょ」
「何があってもね」
理虹は女の子として答えた。
「心から思うわ」
「ああした国も駄目でね」
それでというのだ。
「本当に今の日本だとね」
「かなりいいわね」
「いるだけでね」
「それだけでも幸せね」
「そう思うわ」
「成程ね。、つくづく幸せってね」
理虹は腕を組んで考える顔になって述べた。
「近くにあるのね」
「それで些細と思ったね」
「そうしたことがなのね」
「幸せだと思うわ」
「珍しい、貴重なものじゃないのね」
「すぐ傍にね」
まさにというのだ。
「幾らでもあるものよ」
「そうなのね」
「クローバーみたいにね」
「三つ葉のね」
「四つ葉は幸運でね」
「三つ葉は幸福ね」
「その確かな違いって私よくわからないけれど」
それでもとだ、かな恵は理虹にいつもの穏やかな笑顔で話した。大きく開いた口もほんのりとした目もいつも通りだ。
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