五十九 謀反
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眼もなんのその、白と君麻呂の殺気に飛段は真っ向から言い返す。
「うるせぇなァ!てめぇら全員呪い殺してやろうか!」
「その前に氷像を作るのが先になりますよ」
「全身の骨を砕いて再起不能にするのが先だ」
バチバチと火花が飛び散る。一向に変わらぬ押し問答に、再不斬は溜息をついた。
こりゃ暫く放っておくしかないな、と頭を掻く再不斬の前で、ナルト崇拝者の集まりは益々ヒートアップしてゆく。
「俺だって邪神様の言いつけがなけりゃ、てめぇら全員、とっくに呪殺してっからな!」
「邪神様?もしかしてナルト様のことか」
「不愉快です。そんな汚れた名で呼ばれるなんてナルトくんも不快でしょう」
「んだと…っ、邪神様はすげー奴なんだぞ!!」
「至極当然の事実を今更言わないでもらえます?ナルトくんが素晴らしいヒトだというのは世界の始まりから決まっています」
「ナルト様がいなければ僕は生きていなかった。生きる意味をくださったナルト様は至高の御方に他ならない」
「邪神様以上に崇高な存在はいねェだろーが」
「「「…………………」」」
突如、ガッシっ!と握手する白と君麻呂と飛段。
傍観を決め込んでいた再不斬は何がどうしてこうなった…と遠い目をしつつも、一言言ってやらざるを得なかった。
「そこ。意気投合するな」
とりあえず、なんとか事態収拾に至ったのは間違いなかった。
其処は地獄だった。
眼を疑う光景だった。
木ノ葉隠れの忍びと激突し、飛段が生き埋めになったという報告は受けている。
だがナルトの介入でなんとか一命を取り留めたという角都の様子を見に来たゼツは、目の前の惨劇に言葉が出なかった。
倒れ伏すデイダラとサソリ。
伏せるデイダラの胸からは溢れる血が地面を濡らし、転がっている傀儡の残骸も赤く染める。
ぽっかり、と胸部に穴を空けたサソリが意思のない虚空の瞳で空を見上げていた。
暗雲たる曇り空の下、触手がうねる。
サソリの傀儡である三代目風影の残骸が散らばる中、いつもの見慣れた姿の角都がゼツの視界に飛び込んでくる。
体内の繊維状の物質を操り、サソリとデイダラの隙を突いて、彼らの心臓を奪ったのだろう。
【地怨虞】を駆使する角都の眼はどこか虚ろで、新たな獲物を狙っている。
「カクズメ…クルッタカ…」
「嘘でしょ…アイツ、まさか」
木に同化して身を潜めていたゼツは声も息も潜めて、ぶるり、と震えあがる。
目の前の光景が信じられなかった。
普段は五つもの心臓を保持していたからか、ひとつしか
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