五十九 謀反
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しか目撃していない【根】は、印象の薄い子どもよりも鬼人の捜索に躍起になるだろう。
霧隠れの鬼人として名を馳せている自身を聊か後悔しつつ、再不斬はナルトの思惑に、内心舌を巻いた。
もっとも癪なので口にはしないが。
「仮に、水月の行方を追ったとしてもあの時はガキの姿だったからな。早々気づかれんだろうさ」
「あとは時がくるまでは、水月には里内で待機してもらう…ご苦労だったな、再不斬」
「ふん。今更なこった」
軽口を叩き合っていた再不斬は、不意にナルトの様子が一変したことに、眉を顰めた。
「どうした?」
「いや、なに…。本体がちょっとばかし、な…俺にまでチャクラを回す余裕が無いんだろうさ」
ナルトの影分身の答えに、再不斬は一瞬、虚を突かれた顔をした後、「んだそりゃ、嫌味かよ」と悪態を吐いた。
「規格外がよく言うぜ」
「…俺は人並みだよ?」
心外な、といった表情で小首を傾げるナルトの心からの答えに、再不斬は「どの口が…。人並みを辞書で引いてみろ」と舌打ちした。
と言いつつ、犬や猫を追い払うように、シッシとおざなりに手で払う再不斬に、影分身のナルトは苦笑する。
ナルトの意を酌んで、仕草で伝えてくる素直じゃない鬼人に微笑みひとつ残すと、影分身は掻き消えた。
白煙と化したナルトの影分身。
棚引く白煙を視線で追いながら「───で?」と再不斬は見て見ぬふりをしていた背後の攻防戦に、ようやく声を掛けた。
「てめぇらは一体いつまで、そーやっていがみ合ってるつもりだ」
ナルトに心酔している自称彼の右腕の、白と君麻呂。
そんな彼らと対峙するのは、邪神様を崇める飛段。
シカマルに生き埋めにされたところを助けられ、ナルトの影分身についてきた、これまた一癖も二癖もある厄介な不死者に、再不斬は眉間を指で押さえた。
(…また厄介なヤツに懐かれやがって。面倒事を被るのはこっちなんだが…)
消えたナルトの影分身が寸前までいた場所を恨みがましく睨んだ再不斬は、いつまでも膠着状態から抜け出せないその場を収拾する為、一歩、修羅場に足を踏み入れた。
「いくらナルト様について来たとは言え、こんな犯罪者を信用など出来るか」
「貴方と同じ意見なんて虫唾が奔りますが、同意見です。こんな危険人物をナルトくんの傍に近づけさせるなんてあり得ません」
君麻呂と白からブリザードの如く、冷ややかな殺気と空気が溢れ出す。
その寒冷地を遠巻きに眺めていた多由也が「…お前ら、それブーメランって知ってっか…」と至極もっともな意見を投げた。
自分達も一般的な忍びとは遠きかけ離れた存在であると自覚している多由也や香燐の呆れた
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