五十九 謀反
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とも知らず。
「お前、あえてあの角都ってヤローの身体を残したな」
カカシと同じ推察をし、それを指摘した再不斬に、ナルトの影分身は「そうだよ」とあっさり答えた。
「角都の身体がなければ術の威力や、それに伴うデメリットが向こうに理解してもらえないからね」
角都の心臓を本体に渡し、影分身であるナルトと行動を共にした再不斬は若干、不服げな表情を浮かべる。
「…それで、おまえの苦労があの娘っ子に何一つ伝わってなくてもか」
「いいんだ」
しかしながら再不斬の不満に、ナルトは間髪を容れず即座に答えた。
清々しいほどの穏やかな返答だった。
「それで、いいんだ」
ナルトの返事に納得しかねるものがあったが、それきり口を開かないだろうと悟って、再不斬は「…おまえがそれなら別に構わんが」と話題を変える。
「ところで散々【根】の連中を煽ったが、アレで良かったんだよな?」
「上等だよ」
ダンゾウへと話題をあえて移行させた再不斬に対し、影分身のナルトはにこやかに笑う。
木ノ葉の里における【根】の根城。
其処へ囚われの身である満月を助けに潜入した水月を、水分身の再不斬は手助けした。
その際、あえて【根】の忍び達の前に鬼人の姿を晒したのは、再不斬の水筒の中に【水化の術】にて液体と化していた為、子どもの姿に縮んでいた水月の印象を薄くさせる為だ。
何処の誰かわからぬ子どもよりも、霧隠れの鬼人として名を馳せている桃地再不斬を、彼らは当然警戒する。
そして満月を奪還した水月を逃がし、水分身の再不斬はわざと自身に注意を引きつけた。
というのは、例えその時、水分身だとバレたとしても、どちらにせよ本体は里外にいると【根】は考えるだろう。
つまりは、ダンゾウが注意を向けるのは、木ノ葉の里の内ではなく、外だ。
誰が、里内に眼を向けるだろうか。
ましてや、満月の拘束はダンゾウが秘密裡に行っていた事。
部下も知り得ぬ己の非道をわざわざ白日の下に晒す真似はすまい。
よって、ダンゾウが部下へ命じるとすれば、水月や満月ではなく、【根】を虚仮にした鬼人の捕縛或いは殺害だ。
それこそが再不斬…いや、ナルトの狙いだと気づかずに。
つまり、今現在、あえて木ノ葉の里に潜んでいる水月と満月に眼を向けさせない為に、再不斬の水分身はわざと目立つ振る舞いをしたのである。
「この俺を囮に使うなんざ、てめぇくらいなもんだぜ」
「おまえが目立つのが悪い」
「やかましいわ」
霧隠れの鬼人という自身を隠れ蓑にすることで、【根】の眼を誤魔化し、水月と満月の印象を薄める。
更に子どもの姿の水月
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ