五十九 謀反
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のリスクもある。
術者であるナルの腕にも同じ症状が見て取れた為、綱手はカカシに【風遁・螺旋手裏剣】の使用を禁じる。
五代目火影の勅命で以って《禁術》扱いとされた【風遁・螺旋手裏剣】の危険性を思い知ったカカシは、物言わぬモノと化した角都の遺体へ今一度、視線を落とした。
(…奴は遺体を持ち帰らなかった…何故だ?)
カカシの脳裏に、白フードをはためかせる謎の存在の姿が過ぎる。
突如、ナルを昏睡させ、ナルの術を受けて動けなくなった角都の心臓を抜き取り、再不斬の首輪を綱手の封印術ごとあっさり解き、そして鬼人と共に立ち去った人物。
忍びの遺体は情報の宝庫だ。置き去りにすれば調べられるのは必至。
角都の遺体がなければ、ナルの新術の危険性が解明できず、強力な術故に連発する可能性が大きい。
そうなればチャクラが練れなくなり、いずれ自滅するだろう。
つまり角都の遺体を持ち去ってさえいれば何もせずともナルという戦力を削ぐことができる。
しかし何故か、相手は置き去りにするという愚行を犯した。
(…あえて残した?)
あれだけの力量と技量の持ち主ならば、角都の遺体を持ち去るなど容易いだろう。
だというのに現に今、木ノ葉の里には角都の遺体がある。
(…まさか、ナルの術の効果のほどを伝える為に、わざと…?)
木ノ葉の忍びが角都の遺体を持ち去るのを見逃したのだろうか。
ナルが新術を使い続けて自滅するのを防ぐ為に。
そこまで考えたカカシは、自分の推測を否定する。
角都の心臓を抜き取ったあの残酷非道な振る舞いをした人物が何故、ナルの身を案じるような真似をする?
考えすぎか、と己の憶測を自ら否定したカカシはしかしながら、心にどこかひっかかりを覚えていた。
「綱手様…!」
直後、検死室にシズネが飛び込んでくる。
角都の遺体を囲み、ナルの新術の脅威に険しい表情を浮かべていた綱手は、突然入室してきたシズネを諫めた。
「なんだ、ノックもしないで…」
「申し訳ございません…!ですが、緊急でして…っ」
酷く狼狽したシズネの様子に、一同は怪訝な顔をする。
綱手・カカシ・ヤマトの訝しげな視線に構わず、シズネは動揺も露わに急ぎ、口を開いた。
「あ、アスマ上忍が…!」
シズネからもたらされた火急の報告に、カカシの眼が見開く。
綱手とヤマトもまた驚愕の表情を浮かべ、聞き間違いかと己の耳を疑った。
「猿飛アスマ上忍が里に帰ってきました…!!」
死んだはずの猿飛アスマの帰還。
その知らせに、カカシの推察は瞬く間に霧散してしまう。
ちょうどその折、同じ推測をしていた再不斬が遠い場所で、答えを得ている
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