第三幕その五
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「とてもね」
「こうした旅は出来なかったわね」
「そうだね、けれどリンキティンク王は」
王子の第一の親友であるこの人はといいますと。
「そんな僕でもね」
「ずっとだったわね」
「親しく気さくにね」
「一緒にいてくれたわね」
「僕はずっと捻くれていたけれど」
それでもというのです。
「その僕にね」
「親しく気さくに接してくれて」
「傍に置いてくれたよ」
「そのことに感謝しているわね」
「当然だよ、そして今あの人は」
リンキティンク王はというのです。
「僕のパーティーの招待の為にね」
「海を回っているのね」
「船に乗ってね」
「お友達の為に」
「そのことが有り難いよ、さっきメールが届いたけれど」
「どうしたの?」
「ボタン=ブライトをちらりと見たそうだよ」
あの寝ている間に何処かに行ってしまう彼にというのです。
「擦れ違った船の中にね」
「そうなのね」
「うん、気持ちよさそうに寝ていたらしいよ」
「そうなのね」
「彼も出来れば」
ボタン=ブライトもとです。王子は心から思いました。
「招待したいね」
「そうよね」
「出来ればね」
「そういえばです」
ここでジョージが王子に言ってきました。
「僕達も最近は」
「彼にはだね」
「会っていないです」
「彼と会えることはね」
「偶然ですよね」
「オズの国はお伽の国だから不思議なことが多くて」
それでというのです。
「彼もまたその中にいるからね」
「会えるとですね」
「不思議なことだよ、ただ会いたいと思えば」
その時はというのです。
「ちゃんとね」
「会えますね」
「そうなれるからね」
それでというのです。
「会いたいと思おうね」
「そうすればいいですね」
「彼についてもね」
「オズの国はお伽の国だから」
「不思議なことが多くてね」
そうしてというのです。
「願ったこともね」
「適いますね」
「それが誰にも迷惑をかけないことなら」
そうであればというのです。
「適うよ」
「それじゃあ」
「皆で願おうね」
「わかりました」
ジョージが頷いて恵梨香達四人も他の皆もです。
ボタンに会いたいと願いました、ですが流石に今は彼は出ません。オジャボロはここで笑って言いました。
「きっと会えるよ」
「あの子とはね」
「願ったからね」
王女にその笑顔で答えました。
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