第四百九十四話 戦士達が集まりその十六
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「私は今はですね」
「訓練していきましょう」
「そうしていきます」
こう言ってさらに訓練していった、だが。
ここでだ、シアについてカノンはこう言った。
「一つ気になることがあるわ」
「気になること?」
「ええ、貴女は真面目だけれど」
それでもというのだ。
「かなり良くなったけれど周りがね」
「見えていないですか」
「その傾向があるわ」
「その通りなんだよな」
みねねが応えた。
「嬢ちゃんはちょっとな」
「周りが見えていないですか」
「正面だけを見ていてな」
そうしてというのだ。
「周りがな」
「見えていないですか」
「確かにかなりよくなったぜ」
カノンの言う通りにというのだ。
「けれどな」
「そうした傾向がありますか」
「正面を見てな」
「そのうえで、ですね」
「横目でも周りを見るんだよ」
「そうすることも大事ですね」
「ああ、あたしもこうした目だけれどな」
笑って自分の隻眼のことも話した。
「そうする様にしてるぜ」
「そうすればですか」
「ああ、さらによくなるからな」
だからだというのだ。
「もっとな」
「周りを見ればいいですね」
「ああ、この兄さんなんかな」
今度は二ノ宮を見て話した。
「それが出来てるぜ」
「というか抜け目ないのう」
クーベルも二ノ宮について述べた。
「何かと」
「そうだよな」
「むしろその抜け目のなさがじゃな」
「兄さんの武器だな」
「そうじゃのう」
「俺はあらゆる手を使って勝つ主義だ」
二ノ宮自身言い切った。
「捕まらないやり方でな」
「犯罪やらないならいいにしても」
こう言ったのはマージョリーだった。
「かなりきわどいこともしてきたわね」
「しかし捕まってはいないしだ」
「そうなることもしていないわね」
「何度も言うが犯罪はばれるものだ」
「何時かは」
「そうなるものだからだ」
このことがわかっているからだというのだ。
「俺もしない」
「そうして儲けてるのね」
「そういえばでっちあげても無意味でした」
ベルザは自分の過去の行いから述べた。
「社長は」
「でっちあげはでっちあげだ」
それに過ぎないとだ、二ノ宮は言い切った。
「最初からそうしたことはしない」
「それが最善なのですね」
「さもないと足を引っ張られる」
そうなるというのだ。
「かつてのお前の様な奴にな」
「だからですね」
「最初からしない、しかし抜け目なくだ」
視野を広く持ってというのだ、二ノ宮はこのことをかなり真面目にかつ居直って仲間達に堂々と話した。
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