第二章
[8]前話
「盲腸でっか」
「はい」
医師は西に答えた。
「そうです、ですから暫くの間入院してもらいます」
「手術して」
「回復されるまでは」
「わかりました、しかし」
西は考える顔で医師に述べた。
「急になって驚いてます」
「はい、盲腸は本当にです」
「急にですね」
「痛くなりますので」
「それでうちの奥さんもでっか」
「この度は」
こう西に話した。
「そうした次第です」
「そうでっか」
「ですが手術されれば」
「問題ないですね」
「ご安心下さい」
「よろしゅう頼んます」
こう言ってだった。
西は妻に事情を話しこの日と次の日は休日だったので妻にずっと寄り添ってだった。
仕事帰りは毎日見舞い手術を経て退院してだった。
「今はすっかり元気やで」
「よかっただすな」
「ああ、ほんまによかったわ」
西は居酒屋で風と共に飲みつつ話した。
「手術も無事に終わって」
「そうして退院出来てだすな」
「よかったわ、しかしほんまあの時は驚いたわ」
「奥さんが倒れていてだすな」
「ほんまや、けどな」
「助かってだすな」
「ほんまによかったわ」
ビールを飲みつつ笑顔で話した。
「心から思ってるわ」
「ではお祝いをだすな」
「したで、ちゃんとな」
「もうしただすか」
「そうしたことはちゃんとせんとあかんさかいな」
「それで何をしただすか」
風はお祝いの内容について尋ねた。
「一体」
「奥さんの大好きなケーキ買ってな」
「それをご馳走しただすか」
「そうしたわ。それで今日は飲んでるけど」
それでもというのだった。
「今は早く帰ってな」
「奥さんの傍にいるだすな」
「そうするわ、ほなこれ飲んだら」
「わかっただす、ではまただすな」
「会社でな」
西は笑顔で言ってだった。
ビールを飲むを風と共に店を後にして彼と店の前で別れてだった。
家に帰って妻と一緒の時間を過ごした、元気になった妻はにこにことしていた。西はその彼女にこう言った。
「また何かあったらな」
「その時はなのね」
「わいに任せてな」
「ええ、宜しくね」
妻はにこりとして答えた、そうして夫にあの時は有り難うと心からお礼を告げたのだった。
倒れていた妻 完
2022・4・22
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