フェアリー・ダンス編
新世界編
実家・ALOの二刀
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時は少し遡る――
呼び出しから一ヶ月後、俺は体力の回復を図っていた。リハビリ初期から飛ばし過ぎたせいもあり、今だに慢性的な筋肉痛だが、お陰で誰もが呆れるほどの回復スピードだ。
「おーい、じーさん。帰ったぞー」
「……お兄様、使用人も居ります。お祖父様のお立場もお考え下さい……」
「む……コホン、お祖父様。螢、ただ今帰りました。何処にいらっしゃるか!」
「なんじゃ、螢のくせして気持ち悪いあいさつしよって……よく帰った。馬鹿孫よ」
「……お祖父様?」
「コホン、はて?我が孫は何時からそのような似合わぬ挨拶をするようになったのかのぉ?……よくぞ帰ったな。孫よ」
「……もういいです」
俺は何だかんだで実家に帰省していた。年末だしな。
だが、一番の理由は――癪な話だが――俺がこの家を勝手に出ていったことを赦して貰ったことのお礼を言いに来たのだ。
ご先祖達を奉る神棚(うちは神教)に参ったあと、居間に移動する。
「爺さん、本家から、何か?」
「ふん、決まっとる。お前を返せだと。誰が返すかこの―「コホン」―うむ、すまぬ沙良」
「……お兄様は……どうされたいのですか?」
「あの家にはもう用はない。奴らに利用価値は無くなった」
その言葉に水城家当主、水城冬馬は豪快に笑い出す。しばらくして落ち着くと昔のように暖かな笑みを浮かべながら手招きをする。
「何だよ……?」
「いいから、こっちゃ来い」
何されるか判ったもんじゃ無いので、一応警戒心を持って近づくが、爺ちゃんはポン、と俺の頭の上に手を置くと、乱暴に撫で始めた。
「な……なにすんだよ!?」
逃れようとするが、向こうは老いても当主、つまり現段階で水城家最強。筋肉痛でひいひい言ってる俺なんか敵じゃない。
「うっさい、馬鹿孫。黙ってろい」
「……あ」
じゃれあう祖父と孫を見ていた沙良は祖父の目に光るものが浮かんでいるのに気がついた。
そして彼女はそれを指摘するほど無粋者ではない。場が、温まってきたその時――
「螢は何処だあぁぁぁぁっ!!」
嵐がやって来た。
「久しぶり、蓮兄」
「おおー!沙良久しぶり、息災か?」
「うん」
「それは何より……って爺さん、その抱えてるの俺に寄越せ。久しぶりに死合うから」
「おお、いい考えだ」
「いいわけあるか!?」
とんでもないことを言い出した2つ上の兄にして水城家の直系、つまり実子の水城蓮は何処からともなく木刀を二本取り出し、片方を放ってくる。
「いざ、尋常に……勝
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