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ハッピークローバー
第十九話 三つ葉のクローバーその七

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「呉とかお水が豊かな地域だとね」
「お刺身よく食べていたの」
「呉の孫権さんよく飲んでたけれど」 
 この時代では張飛と並ぶ酒好きで酒乱であろうか、そうした逸話が多い。
「その肴はね」
「お刺身だったの」
「そうみたいよ、長江で鯉とか釣り上げて」
 そうしてというのだ。
「それをお刺身にしてね」
「肴にして飲んでいたの」
「そうみたいよ」
「そうだったのね」
「どうやらね」
「川魚お刺身って危なくない?」
 理虹はここまで聞いて言った。
「鯉だって」
「寄生虫いるわよね」
「ええ、洒落になってないわよ」
 こう留奈に言った。
「川魚は」
「だからそれにあたって死んだ人もいるのよ」
 呂布を陥れた陳登もそうである、名医華陀に虫を吐いて診察を受けて数年後亡くなっているがこれはまさに魚を食べ過ぎたせいだと華陀に言われている。それで寄生虫によって体内を蝕まれて死んだのである。
「それで保存技術もね」
「当時は発達してないから」
「それでね」
 そのせいでというのだ。
「腐ったお刺身にあたって」
「ああ、それでなの」
「そこから疫病が流行して」
 そうしたことがあってというのだ。
「中国ではね」
「生もの食べなくなったのね」
「そう言ってたわ、あの娘」
「そうだったのね」
「それで今もね」
「中国ではお料理に火を通すのね」
「絶対にね」
 その様にしているというのだ。
「大抵はね」
「そうした理由があったのね」
「だから一華が賞味期限に気をつけるなら」
 留奈は今度は一華を見て話した。
「いいことよ」
「本当にそうね」 
 一華自身の返事である。
「そう思うわ」
「そうよね」
「中国のお話もね」
「道理よね」
「そういえば水滸伝でもね」 
 一華はこの物語の話もした。
「お刺身であたってたわね」
「そんな場面あったの」
「私あのお話漫画でしか読んでないけれど」
 それでもというのだ。
「ネットでそんな話もあったってね」
「書いてあったの」
「そうだったの」
「宋江さんがそうなるってね」
 丁度流されていて漢詩を詠む辺りの場面である。
「だからお刺身もね」
「怖いってことね」
「そうよね、ただ私鯉のお刺身食べたことないわ」
「あらいね」
 かな恵が言ってきた。
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