第二章
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「今度はね」
「おかしい?」
「夢の国で過ごすって言ってるのよ」
「メールでかい」
「そうなの。それでどういうことって聞いたら」
由美子は夫に曇った顔で答えた。
「電波が入っていないかってね」
「そう言われたんだ」
「夢の国って言うから」
妻は夫に曇った顔のまま話した。
「若しかしたら」
「ちょっと聞いてみるか」
「ハイステンボスの方にね」
「ハウステンボスって言っても色々よ」
忍も心配そうに言ってきた。
「ホテルもレストランもあるしレジャー施設もね」
「お店も一杯あるわね」
「うん、それでお姉ちゃんはお土産のお店で働いてるから」
「そこに連絡してなのね」
「確かめましょう」
こう話してだった。
美穂の勤めている店が何処か知っている忍が店に連絡をした、すると店長の中年男性が出て答えた。
「ああ、石田さんの妹さんですか」
「はい、姉が夢の国に行くと言ってです」
「連絡が取れなくなったんですか」
「そうなんです、姉はどうしてますか?」
「普通に今お店で働いてますよ」
店長はすぐに答えた。
「品出しをしてくれています」
「えっ、今そちらにいるんですか」
「はい、何なら出てもらいますよ」
「お願いします」
忍は店長にすぐに答えた、そうしてだった。
美穂に電話に出てもらって姉と直接話をした、美穂が出ると忍は彼女に対してすぐに真剣な声で尋ねた。
「お姉ちゃん、夢の国に行くって何よ」
「夢の国?ここに決まってるでしょ」
美穂の返事はあっさりとしたものだった。
「ハウステンボスよ」
「それは東京の方のあそこでしょ」
「実は千葉にあるあそこね」
「そうじゃないの?それか天国とか」
「何言ってるのよ、こここそが夢の国でしょ」
ハウステンボスがとだ、美穂は妹に返した。
「だから私今度の長期休暇の時もよ」
「ハウステンボスにいてなの」
「遊んで楽しくよ」
「過ごすのね」
「だってここ大好きだから」
「それはわかったけれど」
姉にまだ聞きたいことがある、それでさらに尋ねた。
「何で連絡つかないのよ」
「連絡?メールなら今駄目よ」
「駄目って?」
「スマホもパソコンも急に調子が悪くなったのよ」
美穂はあっさりとした口調で話した。
「それで今どっちも修理に出してるの」
「それで電波とかって言われたの」
「うん、どっちもすぐになおるって言われたからね」
「また連絡がつくの」
「安心してね」
「全く。何かって思ったら」
「というか物凄く心配してない?」
「してたわよ、家族皆でね」
こう姉に返した。
「全く。何かと思ったら」
「何かって全然心配することないじゃない」
「夢の国に行くって言って連絡が急につかなくなったらそうなるわよ」
「
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