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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第119話『3つの戦場』
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「ひゅ〜! さっすが月!」

「気を抜かないで舞。相手は銃を持っているんだから、いつ狙われてもおかしくない」

「それはわかってるけど、ある程度は月と花織が抑えてるし、残りも全員月を狙ってるよ?」

「だったらなおさら安心できない。いくら月でも、魔術を同時に併用するのには限界がある。私たちも援護しないと!」


遠距離攻撃が行える月や花織と比べて、風香と舞は近距離攻撃を得意とするため、防御力の高い今回の相手は非常に分が悪い。とはいえ、仲間が命を狙われていると聞いて引っ込んでいられるほど、薄い関係ではない。まだ出会って間もないけど、絆は誰にも負けない。


「はぁっ!」


月を狙う重装兵の1人に果敢に突っ込む風香。相手がこちらに気づいた時には、既に懐に入り、持っていた銃を蹴り上げた。


「"旋刃"!」


そしてそのまま、武器を失った敵の顔面目掛けて鋭い蹴りを放つ。装備を突破できるとは思っていないが、倒れてくれるだけでも時間は稼げ──


「──しまった!」

「風香!」


銃を手放して焦ったところに追撃と思ったが、相手が思ったより冷静で、風香の脚を掴んで攻撃を防いでしまう。
それを見て、すぐさま舞が助けに向かった。


「その手を、離せっ!」


飛翔して高度をつけてからの踵落とし。風香を掴んでいた腕に直撃し、衝撃で敵の指が風香の脚から離れる。
風香はすぐさま距離を取り、【花鳥風月】の4人は一度合流した。


「ありがとう舞! 助かった!」

「もう無茶しないでよ! 怖かった……」

「月ちゃんどうします〜?」

「困ったなぁ。この屋根がある以上、"オリオン"も"ドッカン彗星"も出せないし……」


風香や舞の攻撃では重装に敵わず、花織の拘束にも限界がある。今のところ、有効打を持つのは月ただ一人。
しかし、そんな彼女の切り札はこの氷の天井によって制限されていた。"オリオン"はデカいから天井を下から突き破ってしまうし、"ドッカン彗星"は逆に上から突き破ってしまうからだ。
謎の雨の正体がわからない以上、この天井を無闇に壊すのは得策ではない。


「なら、もっといっぱい召喚して──」

「──私が力を貸そう」

「え……?」


どう動くべきか迷う【花鳥風月】の元に、1人の男性が現れた。
前後に尖った帽子を被り、軽装ながら腕と脚は革製の防具を身につけている。さながら、ファンタジー世界の"狩人"のようだ。


「あなたは……アローさん!?」


その名を呼んだのは風香。しかし、風香以外の誰もが彼を知っていた。
なぜなら、彼はあの【覇軍】のメンバーが1人、アローという人物なのだから。本戦の2回戦、3回戦と、アーサーや
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