第四十八話 東京という街その四
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「儲けさせる方だ」
「そっちよね」
「そうなるからな」
「儲けるものじゃないわね」
「やるならな」
「そうよね、そんなお金あるなら」
咲はそれならと答えた。
「漫画にゲームにラノベにね」
「最近はファッションだな」
「サングラスと麦わら帽子買ったけれど」
それでもと言うのだった。
「ギャンブルなんかにはね」
「使う気がないな」
「服とか買った方が絶対にいいわよ」
「最近メイクもはじめたか?」
「ナチュラルでね」
このことも否定しなかった。
「そうしたわ」
「それなら余計にお金かかるな」
「それで何でよ」
「ホストクラブやギャンブルや麻薬にだな」
「使うのよ、無駄もいいところよ」
「そう思うならいい、本当にな」
「お金は大事なところに使わないとね」
心から思うことだった、今実際に。
「すぐになくなるわね」
「そうだ、お金は本当にな」
「すぐになくなるわね」
「大事に使わないとな、もっと言えば大事に使ってもな」
そうしてもというのだ。
「すぐになくなるぞ」
「そういうものね」
「生きているとな」
それこそというのだ。
「貯金は中々な」
「出来ないのね」
「そうだ、だから尚更だ」
「お金は大事に使うことね」
「そうしないと駄目だ」
娘に真剣な顔で話した、それはこの日最もそうしたものになっていてこれ以上はないまでに真面目に語っていた。
「後で後悔することもな」
「あるのね」
「咲もあっただろ、そうしたことが」
「ええ」
咲もその通りだと答えた。
「無駄遣いしてね」
「欲しいものが買えなかったな」
「そうした時あったわ」
「子供の時もあってな」
「そんな時が」
「大人になってもだ」
その時もというのだ。
「やっぱりな」
「あるのね」
「それで家庭が出来たらな」
「余計になのね」
「そうした時があってな」
それでというのだ。
「後悔したり残念な気持ちで諦めたりな」
「そうなるのね」
「だからお金はな」
これはというのだ。
「いつもだ」
「持っておくことね」
「貯金してな」
そうしてというのだ。
「出来るだけそうしておくんだ」
「そうしないと駄目なのね」
「思わぬ出費なんかいつもだぞ」
それこそというのだ。
「急にきてな」
「出さないといけなくなるのね」
「それでその後にどうしても必要な時が来るんだ」
そのお金がというのだ。
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