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イベリス
第四十八話 東京という街その二

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「何なら教えるけれど」
「うん、後でお願いするわ」
「それじゃあね」
 愛も頷いた、その後でだった。
 咲は父のところに戻って愛の言葉を話した、すると父は頷いてそのうえで娘に対して真剣に語った。
「愛ちゃんもわかってるな、安心した」
「歌舞伎町は絶対に駄目ってね」
「高校生が行く場所じゃない」
「そうなのね」
「大体お酒を飲むにしてもだ」
 父はさらに話した。
「流石にお店で高校生が飲むか」
「ないわね」
「家の中でこっそりはあってもな」
 それでもというのだ。
「お店で堂々はな」
「ないわね」
「ない」 
 絶対にというのだ。
「だからお前も行くことがないだろ」
「そうね、カラオケ位?」
「カラオケなら新宿以外にもあるだろ」
「渋谷でもあるわ」
 アルバイト先のあるその場所にもというのだ。
「それでご近所にも学校の近くにもね」
「幾らでもあるな」
「他の遊ぶ場所もね」
「だったらな」
 それならというのだ。
「あそこに行かなくてもいいな」
「そうね、というか原宿に行ったら」
「幾らでも遊べるな」
「池袋、あと秋葉原もね」
「お前は秋葉原好きだな」
「だってあそこ色々売ってるし」
 咲の好きな漫画やゲームやライトノベル等がだ。
「だからね」
「それじゃあな」
「そうした場所に行けばいいわね」
「そうだ、だからな」
 それでというのだ。
「そうした場所に行ってだ」
「楽しめばいいわね」
「そうだ、だからな」 
「歌舞伎町に行かなくていいわね」
「特にホストクラブには注意するんだ」
「ああ、それでホストの人に貢いで」
 そうなってとだ、咲もホストクラブと聞いてわかった。
「ドンペリとかシャンパンのタワーとか」
「そして貢いでだ」
「お金使ってくのよね」
「そうしたことになるんだ」
「何が楽しいの?」
 咲はむっとして言った。
「ホストの人に貢いで」
「お父さんもわからない、男でもホステスの人に貢ぐんだ」
「いや、貢いでも結婚しないでしょ」
「そうだけれどな」
「じゃあ意味ないでしょ、プレゼントするにしても」
 それでもというのだ。
「確かな人にね」
「するものだな」
「ええ、何でするのかしら」 
 咲は全くわからないという顔で述べた。
「訳がわからないわ」
「興味がないな、咲は」
「ええ、将来も入りたくもないわ」
 ホストクラブ自体にというのだ。
「絶対にな」
「それでいいんだ、飲むなら居酒屋とかでだ」
「飲むといいのね」
「飲んで食べてだ」
 そうしてというのだ。
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