第四十八話 東京という街その一
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第四十八話 東京という街
速水から話を聞いてだった、咲は両親と食事中に東京のあちこちを行ってそれで世の中を勉強したいと言った、すると。
まず父がだ、こう言った。
「東京は広いぞ」
「狭いでしょ」
「その世界は広いんだ」
こう言うのだった。
「東京はな」
「そうなの」
「いい場所もあればな」
それと共にというのだ。
「悪い場所もあるんだ」
「ヤクザ屋さんが多い場所とか」
「柄の悪い場所もあるぞ」
「それは私も知ってるわ」
「歌舞伎町なんか高校生が行く場所じゃないぞ」
そこはというのだ。
「あと繁華街の中にはな」
「行ったら危ない場所もないの」
「一人だとな」
「そうよね」
咲もこう答えた。
「やっぱり」
「そんな場所は一人で行くな、歌舞伎町なんてな」
この街はというのだ。
「今はだ」
「行ったら駄目ね」
「あそこは危ないからな」
「それで有名よね」
「表と裏があるな」
その両方がというのだ。
「世の中は」
「何でもね」
「そして歌舞伎町はすぐそこにだ」
「裏があるのね」
「裏社会がな」
まさにそれがというのだ。
「ある、だからな」
「その裏に入る場合があるのね」
「迂闊に入るとな、だからなんだ」
「歌舞伎町には行かないことね」
「高校生だとな」
この辺りの年齢ではというのだ。
「行くな、大学を卒業して社会人になってだ」
「それからでいいのね」
「愛ちゃんも行かないな」
「そう言えば新宿のお話しないわね」
咲も言われてこのことに気付いた。
「色々行ってても」
「愛ちゃんに聞いてみろ、行かないんじゃないか?」
「うん、じゃあ聞いてみるわね」
咲は父の言葉に頷いて実際に父との話を一旦切って自室に入って愛に歌舞伎町のことを聞いた、するろ愛は剣呑な声で言ってきた。
「歌舞伎町?まだ行ったら駄目よ」
「お父さんと同じこと言うのね」
「あそこは繁華街の中でも危ないのよ」
「そうした場所なのね」
「日本一の繁華街って言うけれど」
「それだけになの」
「そう、危ない人も多いから」
そこにいる人達の中にはというのだ。
「だからね」
「行かないことね」
「他にも行ったら駄目な場所あるわよ」
「東京でも」
「そう、東京は危ない場所も多いから」
「やっぱりそうよね」
「そうした場所のことも言うから」
即ち教えるからだというのだ。
「そうした場所はね」
「行かないことね」
「普通に危ない人達がいるから」
「だからなのね」
「行かないでね、具体的に危ない場所も言えるわよ」
東京の中のそうした場所もというのだ。
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