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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
駆け引き
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言い様だが、爺さん…アンタはもうそれ程長生き出来ないだろう…しかも家族も居なさそうだし…」
「全く持って失礼だが、その通りじゃ!それが何じゃ!?」
「爺さんが死んだ後、この杖はどうなる?誰の物になる?」
「……………」

誰もが言葉を失った。
そうなのだ…この老人を信じられても、その次に杖の所有者になる人物までもは信じられない…
リュカの懸念は其処にあった!

「う…ぐ…で、では船乗りの骨は諦めるのじゃな!?」
「いや、だから物々レンタルを提案したい!…つまり、爺さんの『船乗りの骨』と、僕等の『変化の杖』を、期間限定で交換しようって事!」

「……………なるほど。確かに、ワシの死後はどうなるか………じゃが、もしワシが断ったらどうする?おヌシ等にはこの骨が必要なんじゃろ?」
「いや…正直言うと、今の段階では大して必要じゃない!だから今は諦めるだけだ………だがもし、僕等の旅に必要な物になれば、アンタを殺してでも手に入れるつもりだ!本当はそんな事はしたくないけどね…やむを得なくなれば、アンタ一人の命は犠牲にする!」

室内に短い沈黙が続いた…
誰が見てもリュカが本気な事が分かるから…
「…分かった…物々レンタルに応じよう…それが一番、ワシにとって得なようじゃ」

商談が成立し、互いの持ち物を交換する…一時的にだが。
そして誰もがリュカの深慮に感心する…
自分なら、この老人を信用し、その後の事までは考えないだろうと…

そしてこの事が、二人の少年にとって大きな意味を成す。
義理の息子予定の者には、憧れる大きな目標として…
血を分けた実の息子にとっては、自身の器の小ささを痛感する大きな壁として…



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