駆け引き
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ウルフの言葉に、アルルとマリーが揃って頷く。
「ティミー…お父さんが不真面目で良かったわね?」
人の悪い笑みでティミーを苛めるアルル…
そして思わず4人とも笑い出してしまう。
若者達も成長著しい様だ。
<グリンラッド>
アルルは先日のマリーの言を思い出し、先に『船乗りの骨』を手に入れる為、以前訪れた雪原の老人宅へと赴いた。
「じゃ〜ん!お爺ちゃん、手に入れたわよ『変化の杖』を!」
「お…おぉぉぉぉ!何と本当に手に入れてくるとは……よ、良し!船乗りの骨と交換じゃ!」
マリーが手にする杖を老人が取ろうとした瞬間、それをリュカが奪い老人から遠ざけた。
「な、何じゃ!?この骨との交換の約束じゃぞ!…いらんのか船乗りの骨…」
「爺さん…聞きたい事がある。この杖を使って何をするつもりだ?」
「何って…変化の杖じゃぞ!変化するんじゃよ!」
(イラッ!)
「先に僕のドラゴンの杖で、屍に変化させるぞ!変化して何するのかって聞いてるの!…悪用されると困るのだが…」
「悪用ぅ?変化する事しか出来んのに、どう悪用するんじゃ!?」
「どうもこうも、他人に化けて悪事を働く事は出来るだろ!」
「安心せい!ワシはグリンラッドから出る気は無い!時折やって来る者を驚かしたいだけじゃ!」
狭い室内で、リュカと老人が睨み合う…
「お、お父さん…お爺さんの事を信じましょうよ…この人は悪い人じゃ無いですよ!」
「そ、そうですよリュカさん!マリーの言う通り、この爺さんなら大丈夫だよ!万が一変化の杖を悪用されても、俺達にはラーの鏡があるじゃんか!」
「……………」
リュカは変化の杖を握り、瞳を伏せ深く考える…
「マリー…ちょっと……………あ、他のみんなは待ってて!」
突如マリーだけを外へ連れ出し、コソコソと相談を始めるリュカ。
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「さみー!外、ものっそい寒いよ!バカじゃないの!?」
暫くしてリュカとマリーが室内へと戻ってきた…騒がしく。
「おい爺さん!数ヶ月間の物々レンタルって言うのはどうだ!?」
「…何じゃ、物々レンタルってのは?」
アルル達も聞きたそうにリュカを見つめている…
「爺さん…悪く思わないでほしいのだが、やっぱりこの杖を他人に託すわけにはいかない!この杖の所為で、大勢の弱者が虐げられるのを目撃してしまったからね…」
「何と失礼なヤツじゃ!ワシは悪用しないと言って居るだろうに!」
リュカの言葉に老人は激しく憤慨する…
しかしリュカは、優しい表情のまま首を横に振り、話を続ける。
「勘違いしないでくれ…爺さんの事は疑ってない!むしろ、その後の事が心配なんだ!」
「「「その後?」」」
老人だけではなく、アルルやティミー達もリュカの言葉に首を傾げる。
「失礼な
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