第一章
[2]次話
老け顔でも
久野陽子は切れ長の吊り目で面長で顎がすっきりしている、色白であり眉や唇の形も奇麗である。だが。
「えっ、まだ高校生!?」
「はい」
アルバイトの面接に来たスーパーでだ、中年の男性の店長に言われて答えた。
「大和商業の一年です」
「いや、制服着てないからね今は」
店長は店の窓に張ってあったレジ打ちの応募に応じて早速話をしてきた陽子に話した。
「だからね」
「高校生に見えないですが」
「大学生に見えたよ。けれど学生証見たらね」
陽子が出したそれも見て言った。
「間違いないね、しかも一年生なんだ」
「はい、そうです」
「そうなんだ、じゃあ今からね」
「面接してくれますか」
「うん、後で書類とか持って来てね」
募集のそれはと話してだった。
そのうえで陽子はスーパーのレジ打ちのアルバイトをはじめたが。
客達も店長以外の店員達もだ、こう言った。
「いや、大学生に見えるよ」
「若しくはそれ以上?」
「雰囲気も落ち着いてるし」
「大人びてるしな」
陽子の年齢よりもずっと年長に見える顔と雰囲気を見て言うのだった、陽子はこのことに内心かなり困っていてコンプレックスにも感じていた。
だがそのことは言わずアルバイトだけでなく学業にも励んでだった。
高校を卒業してからは専門学校を出てだった。
就職して真面目に働いてだった。
結婚して夫と二人の子供の為に家事にも励んだ、仕事にも家事にも日々努力して資格も得ていった。
息子の修一も娘の和佳奈も母に言った。
「お母さんの料理美味いよな」
「うん、いつもね」
「手を抜かないでちゃんと作ってくれるしな」
「お掃除やお洗濯もね」
「しかも仕事もしてだし」
「凄いわよね」
「やっぱり何でも真面目にしないとね」
陽子は子供達に笑顔で話した。
「駄目だって思ってるから」
「それでなんだ」
「いつも手を抜かないのね」
「ええ、そういう風にしてるの」
子供達と夕食を一緒に食べつつ笑顔で話した、そうした中で。
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