第二章
[8]前話
「麻雀やトランプの時は牌やカードだけでなく相手も見てるから」
「そうしてるからなの」
「相手も調べてよく見てるから」
「だから勝てるの」
「それで勝とうと思ってないから」
このこともクールに述べた。
「だからよ」
「思ってないの」
「勝とうとはなの」
「思ってないの」
「ギャンブルなのに」
「うち雀荘でしょ」
美菜子は勝とうと思っていないという自分の言葉に驚く友人達に話した、喫茶店でコーヒーを飲みつつそうしているがその飲み方もクールなものである。
「接待麻雀とかお客さんが席空けてる時の代わりとかで打つから」
「そうした時になの」
「勝たない様にしてるの」
「そうなの」
「そうした時はまず負けない様にして」
そう考えてというのだ。
「程々になる様に打つから」
「それでなの」
「勝たない様にって考えてるの」
「そうした考えになったの」
「そうなの。勝とうと思ったら欲が出て」
美菜子はこうも話した。
「ムキになって冷静さがなくなるし」
「そこで負ける」
「そしてそこから取り戻そうと余計にムキになって」
「それで負けが込む」
「ギャンブルあるあるね」
「だから負けそうだって思ったらすぐに止めるし」
その時はというのだ。
「いつも冷静にね」
「やる様にしてるの」
「ギャングルは」
「そうなの」
「趣味は趣味で溺れるものでもないし」
友人達にこうも話した。
「だからこれからもね」
「相手を調べて見ていって」
「勝とうと思わない」
「それでクールになのね」
「やっていくわ、家のお仕事でもあるし」
美菜子はこの時最後までクールに微笑んでいた、そうして友人達に話してだった。
この日は家の仕事で雀荘で麻雀を売った、そのうえで常連の客達に言われた。
「美菜子ちゃん強いね」
「本当にそうだね」
「いつもクールでね」
「まさに本物のギャンブラーだよ」
「趣味としてやっていてもいて」
「それでそのクールさで強さだからね」
こう言うのだった、そのクールな彼女を見て。後に日本の麻雀界にその人ありと言われた美菜子の若き日の話である。
マドンナの趣味 完
2022・4・18
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