第一章
[2]次話
マドンナの趣味
佐々木美菜子ははっきりした目と流麗なカーブを描いた眉にすっきりした顎と小さな赤い唇と黒く長い奇麗な髪の毛を持っている。
通っている学校では評判の美人で成績優秀でもあり性格も穏やかだ、だが友人は多いが交際しているという話はない。
それが何故かとだ、友人達は美菜子自身に話した。
「あんたの趣味がねえ」
「麻雀とトランプとウノだから」
「あと競馬競輪も好きでしょ」
「全部お金は賭けてないけれど」
「賭けたいわ」
美菜子は真顔で答えた。
「実際にね」
「まだ高校生だからね」
「賭けられないっていうのね」
「今は遊ぶだけ」
「そうだっていうのね」
「ええ、兎に角私ギャンブルが好きなのよ」
これまた真顔で言った。
「だからね」
「いつも遊んでるのね」
「本とかも読んでるのね」
「そうしてるのね」
「そうよ、読んでね」
そのうえでというのだ。
「勉強もしてるわ」
「ううん、本物ね」
「生粋のギャンブル好きね」
「こりゃ大人になったら博徒ね」
「間違いなくそっちね」
「それも悪くないわね、家雀荘だしね」
家業の話もした。
「だからね」
「ギャンブル好きなのね」
「元々家がそうだから」
「それでなのね」
「そうよ、けれどそれを抜いても」
家が雀荘ギャンブルの仕事をしていることだけでなくというのだ。
「私好きよ」
「ううん、何でなのよ」
「美人で成績優秀なのに」
「しかも性格もいいのに」
「それでもなのね」
「趣味だからね」
美菜子は素っ気なく言ってだった。
恰好で競馬新聞を読んだり麻雀を知っている生徒達と麻雀をしてトランプやウノを楽しんでいった。そうしてだった。
高校を卒業するとだった。
「さて、大学に合格したけれど」
「もう大人だから」
「お金賭けてくのね」
「そうしていくのね」
「遂にその時が来たからね」
クールに微笑んでだった、美菜子は友人達に話した。
「やっていくわ」
「そうなのね」
「美菜子って見てたらギャンブル強いけれど」
「いつも勝ってるからね」
「けれどお金賭けるなら気をつけてね」
「そうしてね」
友人達は彼女にお金のことは気をつける様に話した、だが。
お金を賭ける様になってもだった、美菜子は。
勝負に強くお金をなくすどころかだった。
どんどん勝っていった、友人達はそれに驚いて彼女に尋ねた。
「強いじゃない」
「お金賭けても」
「何でそこまで強いの?」
「ギャンブルで学費稼いでいるらしいけれど」
「美菜子の大学学費高いのに」
「それが出来てるのどうして?」
「だって競馬や競輪は出場する人や馬をじっくり調べて賭けてるし」
美菜子は今もクールに話した。
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