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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
手組-ふほんい-
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で一命を取り留めたのだ。
無論、竜胆大和を倒すためという執念のみで。

彼は今専用の機械に繋がれ、何本ものチューブを体に通されて培養液に浸されとりあえず生きている。
しかし、目覚めるなり彼はこう言って動き出すだろう。

竜胆大和。
あいつだけは必ず殺すと。

「お願いします!!!」

そんな山本隊長の無念と覚悟を背負い、実働部隊達は頭を地面へ擦り付けて懇願する。
断ろう。
そう思った置鮎だが、あることに気付いた。

「竜胆大和を殺す。そう、言ったのだな?」
「…え?」
「質問に答えろ。山本は竜胆大和を殺すと言ったのだな?」

また断られる。
そう思った部下の耳に入ったのは予想外の言葉。
ゆっくりと顔を上げる一同。
そして、このチャンスを逃す訳にはいかない。

「はい。隊長はいつも竜胆大和を仕留めると、そう言っておられました。」
「そうか…では宮本武蔵にはなんの興味もないと?」
「ま、まぁ…彼女に関しては一言も言及しておらず…。」
「なるほど、そうか、そうか…。」

確認するかのように、置鮎は何度も頷いた。
そして、

「分かった。不本意ではあるが、合同任務に賛成しよう。」

許可した。

「やった…やった!!」
「これでついに…!!」

サーヴァント捕獲率1位の山本部隊。
危険人物等の後始末、及び殲滅力1位の置鮎部隊。
二つの部隊は幾度も大和と武蔵を追い詰めてきたが、どれも後一歩及ばなかった。

だが、1つでダメなら2つでいけばいい。
その願いがようやく叶ったのだ。

「ただし条件がある。山本含め貴様らは竜胆大和をのみを狙うこと。宮本武蔵には手を出すな。逆に私達置鮎部隊も竜胆大和には手を出さない。狙うのは武蔵のみだ。」
「はい!!ありがとうございます!!!」

彼らはもう何度目か分からない礼をし、1列に並んで踵を返して帰っていく。

おそらく、任務以外で外に出られない山本に報告しに行くのだろう。

「へぇ、これは意外ですねぇ。」

と、別室に行くふりをしてやはり話を聞いていた丹下が戻ってきた。

「あなたの事ですからどうせ断るもんだと思ってましたよ。」
「言っただろう。不本意ではあると。」
「まぁまぁそう言わずに。」

と、丹下は持っていたコーヒーカップを差し出す。

「作戦はもう既に考えてあります。山本部隊も置鮎部隊も、私の出す指示に従えさえすれば簡単にあの2人を捕らえられますよ。ええ。」
「アテにしていいんだな?」
「ええ、もちろん。」

自信満々に答える丹下。
置鮎だが、丹下に対してはどこか不信感を抱いている。
いつもニコニコしているがそれは貼り付けたような薄気味悪い笑みで、腹の中では何を考えているか分からないからだ
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