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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
手組-ふほんい-
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こぼれってやつっすか?」
「だろうな。置鮎さんはそんな弟が気に入らなかったらしいぞ。」

「で、その弟関係なんだが…」と古参が話を変える。

「代表にも弟がいるのは…知ってるよな。」
「ああ知ってますよ。見つけ次第絶対に捕まえろって何度も言われてますし。」

代表の弟。
名前は葛城 舞。
実働部隊は入隊時、この男は優先して捕まえるようにと何度も言われ一通りの情報と写真を渡される。
なので顔、名前は誰でも知っているのだ。

そして彼を捕まえれば、代表から多額の報奨金と代表の”おさがり”ではなく、新品のサーヴァントを三騎貰えるというのだ。
そんな破格の条件を出してまで、彼は代表にとって重要人物らしい。

「その代表の弟も、いわゆる”出来損ない”的な?」
「ほう、お前にしては珍しく勘がいいじゃないか。」

新入りの言った通り、代表から聞いた話では彼の弟もとことんできないやつだったとか。
代表は葛城財団を設立する前、医者を目指していたとのこと。
いずれは父の持つ病院を受け継ぐことを約束された超エリートだった。

「父親は有名な外科医。母親は国会議員。父親のコネを使えばなんだって出来たし母親を頼れば不都合なことはなんとかしてくれた。そんな代表はエリート中のエリートだったわけさ。」
「”だった”…?」
「そう。”だった”んだよ。」

エリートだったという過去形なことに新入りが疑問符を浮かべる。
そうして古参はなるべく声を小さくし、顔を近付けて答えた。

「滅茶苦茶にされたのさ、そのできない弟に。」
「へー…。」
「絵を描くことしかできない弟に人生を滅茶苦茶にされた。大学受験にも失敗した。家族関係もひどいものになったそうな。」
「…。」

その後、代表は弟に復讐するべくあれこれ企てたらしいがそれはまた別の話。
ともかく、置鮎と代表の共通点として2人は元エリート。そして自分達とは正反対の出来損ないの弟がいることが分かった。

「代表はよく言ってたよ。置鮎はどことなく俺様に似てる。だから昔の自分と重なっちまってついつい情けをかけたくなるってな。」
「あんな人に似てるなんて言われたら俺自殺しますけどね。」
「…あまり言うなよそういうこと。」

と、冗談交じりに笑いながら古参の男は立ち上がる。

「そろそろ行くぞ。」
「えぇ!?俺まだ全然食ってない!!」
「ったく。飯は食えるうちにさっさと食っとけ。」



?


一方その頃。

「どうか!よろしくお願いします!!!」

技術顧問の丹下に呼ばれ、研究室までやってきた置鮎。
そこにいたのは1列に並び自分を待っていた実働部隊達。
キビキビとした動き、大きな声、個性を奪った坊主頭からして、彼らは山本部隊の隊員だった。

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