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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
手組-ふほんい-
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「…。」
「なぁ、おい。」
場所は変わり、ここは葛城財団本部にある大食堂。
実働部隊の隊員や研究員達は主にここで食事を摂る。
その中のテーブルの1つ、そこにいる二人組がある話をしていた。
「なんだよ…。」
「1度ならず2度までも、さすがに不思議じゃないですか?」
「いいだろ。そのお陰で俺達も助かってるんだし。」
「なんでそこまで…」
付き添いの1人はまだ日は浅く、財団の状況をよく知らない。
しかし、失敗こそは死だということは知っている。
そうして同期達は皆死んだからだ。
だが自分が配属された上司である置鮎だけは、代表は失敗を見逃す。
確かに置鮎とランスロットというとても貴重な戦力を簡単に失うのは惜しい。
この財団で彼の部隊は、サーヴァント捕獲率二位を誇っているし活動を妨害する者を屠る”掃除係”としても大活躍している。
だが、その目覚しい活躍があるからにしても、置鮎にだけ優しすぎるのでは?
と、この実働部隊の新入りは思ったのだ。
「はぁ…知らねぇなら教えてやるよ。」
もう片方は古参。
財団設立当時からいたベテランであり上司の事情は割とよく知っている。
彼はスプーンを皿に置き、嫌々ながらも話を始めた。
「俺も聞いた話だがな、世界がこうなる前置鮎さんは大企業のの御曹司だったそうだ。」
「おっ!?御曹司!?」
「バカ!声がデカい!」
と、古参の隊員が新入りの頭をひっぱたいた。
幸い、周りが騒がしかったため周囲の者達は気付かないでいる。
というのも、置鮎が御曹司ということは本人もなるべく伏せておきたいことらしい。
だから、それを知る者はごく小数だ。
「御曹司って、マジですか?」
「ああ、でもラクなもんじゃないらしくてな。幼少の頃から親父の跡を継ぐため、とんでもないスパルタ教育をされたらしい。」
「へー…。」
誰でも知っているような有名企業だと言うが、やはり世界崩壊の際潰れて無くなったらしい。
「じゃああの優雅な立ち振る舞いは教育のおかげってやつなんですね。」
「ああ、もう雰囲気からしてこの人は富裕層だなって思ったよ。」
「ノブレス・オブリージュってやつっすね。」
「…そこはよくわからん。」
そうして世界が崩壊するまで、置鮎の人生は順風満帆なものであったらしい。
だが、ここで邪魔な者がいた。
「あとな、ここからが本題なんだが弟がいたんだ。」
「弟、ですか。」
「ああ、兄弟ってのは似るもんだが、どうやらその弟、置鮎さんとは違って本当に出来ないヤツだったらしいぞ。」
「へー。」
置鮎啓には一つ下の弟がいた。
才能に恵まれず、英才教育にも嫌気が差し、我が身一つで家から逃げ出した弟がいたのだ。
「いわゆる、落ち
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