第十六話〜相棒と相方〜
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あるのだが、今の彼女にとっては焦りを加速させるだけであった。
ティアナ(私たちがあんなに苦戦した相手をこうも簡単に…)
彼女の胸に去来するのは妬みなどの嫉妬の感情が強かった。自分にとって実現が難しく、さらに言えば自分の理想とする能力を持っているのがライなのだ。彼が歴戦の魔道士ならこんな感情を彼女は持たなかった。しかし彼の表向きの経歴はただの学生で、しかもまだ魔法を使い始めて間もない。
シャマル『防衛ラインももう少し持ちこたえて。すぐにヴィータ副隊長が来るから』
ティアナ「守ってばかりじゃ、押し込まれます。ちゃんと全部落とします!」
シャマルからの気遣いの声も今のティアナにとっては煩わしいものでしかなかった。だから彼女の指示に反射的に噛み付くように返事をし、自己判断で指示を出す。
ティアナ「エリオ、キャロと一緒に一度センターに下がって。スバルと私のツートップで行く。」
エリオ「はっ、はい。」
近くにいたエリオはティアナの剣幕に若干怯えながらも、指示通りにキャロと一緒に後退する。
ティアナ「スバル、クロスシフトA!」
スバル「おう!」
ティアナからの指示に力強い応答で応え、敵ガジェットを引き付けるようにウイングロードを展開しその上をかける。
ティアナ(証明するんだ。特殊な才能や魔力がなくてもできることを!)
クロスミラージュ「カートリッジロード」
ティアナ(私にも力があることを!)
スバルが敵を引き付けている間にカートリッジを四発消費し大量の魔力弾のスフィアを形成していく。魔力の消費とコントロールに神経を集中させ手のひらにじっとりと汗がにじむ。そしてそんな中、スバルの声がティアナに届く。
スバル「ティア、引き付けたよ!」
その声のする方に視線を集中させ敵ガジェットを視界に収める。
ティアナ「クロスファイヤーシューート!!」
自分の中で暴発しそうになっている魔力を解放し、視界に収まる全ての敵を打ち抜いていく。自分の力で敵を減らしていることに一瞬満足感を覚えるティアナ。
しかしその一瞬が致命的であった。気持ちに余裕ができた瞬間、一発の魔力弾のコントロールが甘くなり自分の相方であるスバルの背中に向かう。
スバル「っ!」
スバルは自分の背後から迫る魔力弾に気付き体を硬直させる。その魔力弾はAMFに通用する程の威力である。いくら新人の中で一番防御に秀でているスバルといえど、それが直撃すればひとたまりもない。
そこにいる誰もが最悪の結果を迎えると思った瞬間、魔力弾とスバルの間に割って入る赤い影があった。
ヴィータ「このっ!」
その赤い影、ヴィータはグラーフアイゼンを振りかぶり掛け声と共に魔力弾を叩き落とし地面に着
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