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妖精のサイヤ人
第十一話:愛すべき家族に祝福を
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、成程。今回ここまで手傷を負ったのは…)

身体が光の中に飲まれながら次々と増える火傷による熱が激しくなる一方、セイラは温かな記憶から屈辱の記憶が蓋を開ける。

『私の接取(テイクオーバー )も貴女に効かないみたいね』
 
過去の忌々しい敗北。あの敗北のせいで一度全てを失うことになってしまった。
銀髪を長く伸ばした空のような目を宿す女が諦めず抵抗したのは、”意識”や””感情”が強かったからなのか、それとも――

『もう少し…!!』

不可能と口にしていた筈なのに最後まで諦めずに限界(リミッター)解除した自分に食い下がっいてた。

『■■■■■…家族の傍に来て』

最後まで食い下がっていた結果、自分の能力であった呪法を使って、家族の力で自分を倒したあの光景が。
どこまでも家族を”想う”力があった故にできた芸当だったのか――

今、目の前のいる少年たちが…自分が育ててきたサイヤ人の弟が強い想いで立ち向かってきたから、今この結果へと繋がったとでもいうのか?

(わたくし)を想って―――限界を超えてくださったのですね、ネロさま)

青い光を通して、その発生源である愛しき弟を見つめて気づいたのは、赤いオーラを荒々しく吹かせながらこちらに悲痛な表情で眺める愛しき弟。
主の希望を叶えられなかったが、それでも確かに成長を成し遂げた弟を誇りに想う。

(わたくし)も――想っていたのですけれども…)

どこか遠い記憶を引っ張り出しながら、セイラはネロから放たれたフルパワーのかめはめ波に飲まれながらその姿は影へと移り変わり見えなくなっていく。

過ぎ去っていた青い光の痕にはあるのは、見る影もない森に生えていた草原すらも吹き飛ばし、倒れ伏す木々と――着物の女。
その光景を目にしたネロとラクサスは、確かな手ごたえをを感じて片手を天へと突き出すのであった。












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