第十一話:愛すべき家族に祝福を
[9/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
そして蹴りを放っていたサイヤ人は片足に魔力を集中させ、それをセイラの胴体へとフルパワーの力を引き出して放出する。
「っっ…!!」
「”か…め…”!!」
「まだまだぁッ!!」
ラクサスは力の最大限を維持したままその両拳は雷によって上がっている速度をそのままレイラにラッシュをぶっ放す。
そしてレイラはそれらを受け流し、自身も数々の拳を相殺させ、押し勝とうとする。
「”は…め…”!!」
「!二人まとめてですか…!!」
「へ、どうかな!?」
青くきらめく魔力を目にしたレイラは少年たちの魂胆を目にするが、ラクサスは不敵な笑みである魔法を…自身の中に眠る”最強生物”の力を引き出していく。
疲れ知らずと言わんばかりに放たれるその魔法は、鉄より堅く、されど竜が理性を持つのならば脅威になるであろう拳骨。
成長の鍵を見つけたのはネロだけじゃない、ラクサスも己の内にある魔力を体内に巡らせていた。
”雷”という自然の力、生物最強とされる”竜”、そして滅ぼすためだけの属性。
体内にある魔水晶を埋め込まれたときに父から言われた言葉がふと浮かんだ。
『その力は竜を滅ぼす力。ただそれだけに特化の滅竜魔法』
初めて聞いた時にとにかく戦闘に強いだけの魔法だと思っていた。
しかし前にネロとの試合で始めて使用可能になった己の魔法を発動したとき、ラクサスは身体でそれを理解した。
戦闘に特化しただけではない、あらゆる生物の頂点とされた竜をも滅ぼす力。
それならば、この力は目の前の”敵”を倒すのにも必ず”可能”だ、ということを。
あらゆる生物の頂点、その下であるはずの、目の前の敵を倒せると!!
「”雷竜の――鉄拳”!!!!!」
「っ――!?」
雷の魔力を拳一点に溜めるラクサスに透かさず畳みかけるようにセイラの拳が当たるが…ラクサスは笑みを浮かべながら耐え、そしてついに”竜の拳”をセイラに放ち殴り飛ばした。
その光景を茜色の少年は嬉しそうに笑い、そして両手に収束させていた力をセイラへ解放させた。
「”波ああああああ”!!!!!」
小さな少年から、青白い閃光が放たれ、電気が未だに流れている女は目を見開いていた。
愛しき家族が長年練習し、何度も失敗した技。
何度やっても無駄とも思える数々の失敗をし――しかし習得したときに浮かべた達成感と感動に満ち溢れて涙すら浮かんだ弟の笑顔を、セイラは青い光に飲まれながら思い出す。
さっき弟との攻防の中、自分ですら話していたではないか。
”意識”と”感情”、そして”技術”と”才能”を限界以上に引き出すことが可能、と。
(嗚呼
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ