第十一話:愛すべき家族に祝福を
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れ以上の力の上昇は見込めないということだろう。
…いや。
(変身…覚醒…畜生…こんな土壇場で成れるもんならなりてえ…けど)
ネロにとってこの場を逆転する方法がある”姿”が頭に思い浮かぶが…それは現実的ではない。
この場で、覚醒できるのなら勝てるかもしれない。
しかし、そう都合よく簡単になれるものじゃないとネロは身をもって知っている。
トリガーは”怒り”、しかし今の怒りだけでは辿り着けなかった。
今までの修行でさえ表れなかった力ならば…まだ未熟な自分には無理だろう。
(…どうする、それでも諦めずにキレるか?…いや、この後の攻防でキレるのか…?)
「…おいネロ」
「…なんだよ」
「悩む前にやれよ」
「は?」
「悩む時間が惜しいだろ、つーか…あのセイラがそう待ってくれると思うか?」
目の雨にセイラ、隣にラクサス。そして状況は戦闘時。
ゲームみたいにpauseで止めれなければ、ターン制も選択肢も時間もない。
「とりあえず…後悔しねえ様に、出せれるモンを出そうぜ」
「…ふぅー…そうだな」
悩む時間があるのならば、まずは行動しろ、ということか。
脳筋のような物言いだが、今の状況からすればそれが一番かもしれない。
待ってくれる敵なんて、特に姉はそんな質ではない。
ネロは感情を怒りに埋め尽くすように、そして頭の中にできるだけ苛立たしい思い出を浮かばせようとするが…すぐに思い浮かばない…が。
「じゃあよ…今身体に巡る流れ…怒り…違うそれだけじゃあダメだ…!!」
原始的で野性的な行動、されどそれを生物としては当たり前の感情を今曝け出せ。
さっき姉の殴られっぱなしの時の言葉も思い出して、ネロはその姉の教えを――最後の教えをその身で体現してみせようとする。
「気を…いや魔力を引き出してやる…それでいいかよ…!!」
内なる気を、魔力をぶっ放せ…!!
「へっ…いいじゃねえか!オレ好みだぜ!!ネロォッ!!」
ラクサスも己の持つ雷竜の力を持つ魔力をできるだけあふれ出す。限界など知ったことじゃないといわんばかりに。
「「――ここからが本番だ!!」」
少年たちは吠える。目の前の女に、強者に向けて。
そして白いオーラと黄色の雷は互いに音を置き去りにするように速度を上げる。
セイラは手を少年たちに向け、浮かんでいた本の数々が少年たちへ次々と放たれる。
「ふっ…!!」
「邪魔ァッ!!」
白いオーラは野生の勘で向かってくる数々を感知して跳ねるように避け、雷はその逆、ただでかい落雷によりその本たちを焼き尽くす。
「面白いですわ
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