第十一話:愛すべき家族に祝福を
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な乱暴まに魔法を放出したら御体痛みが…!』
『瀕死にすればいい?解りましたわ…なるべく手加減します』
『ネロさま、強くなりましたわね』
『ネロさま』 『ネロさま』 『ネロさま』
『たとえ貴方さまが弱くあろうとも、私にとっては愛しい弟です』
初めての料理で不器用ながらも奮闘してくれて、修行の時でさえ、見てくれていた姉の姿。
今までの思い出は、家族の絆に偽りなどありやしない。
例え、その思い出を誰かに否定されても自分だけはもう疑うなんて真似は、もうしてたまるか。
「オレは姉さんの家族だ。誰かに任せるんじゃなくて、弟のオレもやらなきゃ意味がねぇ…!!!」
己の内に駆け巡るエネルギーを放出して、眼前に映る姉に熱い意志を持って見つめる。
何回倒れたとしても、何度も吹き飛ばされても、気が尽けたとしても…何度だって立ち向かってやる。
「…良いですわ、ネロさま。その目…!!」
自身に向けられる視線にセイラは鳥肌が立つ。
別に目の前の少年二人が脅威になってわけでも怯んでしまったわけでもない。
ただ、自身に向けて覚悟を決めた弟に喜びしか感情が湧かないのだ。
「特別に二人で来ることを止めませんわ。 己のすべてをかけて…ぶつけなさい」
何度だって受けてあげましょう。
その全力を
その想いを
その決意を
「楽しみましょう…悪魔と人による…宴を!!」
腰低くして構える二人の少年、そしてその少年たちを迎え撃つように両腕を広げる女。
少年たちは纏う力を限界までに引き上げ、女は感情を露わにしたままただ微笑んだ。
「…手はあるか」
「あるかよ、んなもん」
ネロはラクサスにこの場を逆転する手段を問いかけるが、そんなものない。
むしろさっき放った”雷竜の咆哮”が最後の手段だったといってもいい。
フルパワーの咆哮が効かないのならば、これ以上対抗する手段はない。
「お前こそ…あの時の力はどうした」
「…今、あの時と同等なんだよ」
「そうじゃねえ…目だよ、なんで赤くねえんだ」
ギクリ、そしてラクサス戦で見せたネロの10倍強くなる戦闘力の上昇変化。
ラクサスはそれを引き出せば勝機があると踏んでいる。
「…今、本能を解き放ってんだ」
「…ア?」
「目の色が変わってねーってことは、そういうことなんだよ…もう、これ以上はねえ」
ネロが今まで解放していた。大猿の力の解放。
それを出すときに目の色を変化していたネロだったが、どうやら今それを出している…ということだろう。
目に変化なく、それの力を出している。
それはまさしく、もうこ
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