第十一話:愛すべき家族に祝福を
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「いい不意打ちでしたよ。 それにあの位置からの接近スピード…もしや飛行魔法でしたか? と、いうことはネロさまはたった今二番目から覚えた魔法と最初に覚えた魔法…嗚呼、あの光は''技''というのですか。 とはいえ、流石私の自慢の弟です」
日常的な話し方、今まで修行に付き合い助言してくれていたいつもの姉にネロは苦痛に顔を歪ませる。
今の姉と実力が離れすぎているのもそうだが、こんな場面でさえも普段通りに接する姉に今どうしてもネロは理解ができていなかった。
家族のことを何でも知っているとは言えなかったが、それでも確かに姉は自分を愛していたとネロは感じていた。
だというのに、これから命の奪い合い――いや、このままでは姉の蹂躙されるだけか。
「…姉さん、なんでオレと一緒に居たんだよ…」
「?」
「なんで…こんなことになるのならなんで一緒に居たんだよ!?普通の家族の様によ…!!あのわけわかんねえヤツの命令か!?あんなヤツの命令で…オレの姉を演じてたのかよ!!?」
「…?不思議なことを聞くのですね。 それに演じるなんてそんな…私は貴方さまを抱き上げた時からずっと姉ですわ。これからも未来永劫にずっと」
ネロにとっては、姉は強い存在であるのもそうだがやはり長年一緒に過ごしてきたたった一人の家族だ。
その家族に今までの日常が偽りであったかのような行いに耐え切れずその姉本人にぶつけたのだが、それでもセイラは何も変わってないような…彼の知る愛の重い姉だった。
ただ今の姉の外見は頭に生えている牛の角と今までその肌になかったであろう模様があるのだが。
「私は貴方さま、ネロさまの姉であることに変わりありません。 だからこそ、私がこうして貴方さまの第一関門として立っているのです」
「だ…第一関門って…だからそれは一体…」
「まずは今の私を倒してからにしましょう。 でないと…殺めてしまわないといけません」
「っ…!!ちくしょぉぉぉっ!!」
白いオーラを身に纏い、全身の力を跳ね上げてセイラへ突進し肉弾戦に入る。
セイラはネロに片手だけを構え、そのまま自身に向けられるフック、アッパー、正面蹴りから回し蹴りから三日月蹴りなどの蹴り技をするが、弟の仕掛けてくる特攻にセイラは涼し気な顔で受け流し続けた。
手による打撃の方向線をずらすように受け流し、蹴り技は無駄の動きをせずにただ軌道を逸らすだけに留めて受け流しただけ。
確かにネロはこの1年間で強くなっただろう。
だが、それでも彼に武術などを教えたのはセイラである。
ネロに武術を手解きをしていたときにどのように狙い定めるか、どのような癖があるか教えてきた彼
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