第十九話 三つ葉のクローバーその二
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「それも大変よね」
「前の戦争もそうよね」
「第二次世界大戦の時も」
「あの時も大変だったしね」
「終わったからもね」
「神戸だってね」
自分達が今いるこの街もというのだ。
「そうだったしね」
「そうそう」
「もう空襲でボロボロで」
「警察も今とは全然違って何も出来なくて」
「変な人達がやりたい放題だったのよね」
「終戦直後って」
「それで山口組の人達も」
神戸に本拠地があることで有名なこのヤクザ屋さん達のことも話した。
「その頃は自警団だったのよね」
「三代目襲名よね」
「高倉健さんの映画よね」
「山口組の組長さんが主人公の」
「あの映画よね」
「あの映画だと」
まさにというのだ。
「何で自警団やるかって場面もあるらしいわね」
「そうみたいね」
「兎に角当時の神戸は無茶苦茶で」
「そうした頃に生まれても大変よね」
「流石に北朝鮮よりましでも」
「今こうしてね」
理虹はブレザーも着た、そのうえで言った。
「平和に穏やかで暮らせるだけでね」
「いいわね」
「今こうしてね」
「平和に暮らせるだけで」
「全く違うわね」
「それでね」
平和に暮らせてというのだ。
「食べものと飲みものがあってね」
「ちょっとしたことで殺されない」
「収容所に送られたりね」
「北朝鮮やポルポトみたいな世の中じゃない」
「それだけでね」
「かなりね」
それこそというのだ。
「幸せよね」
「それ言えるわね」
「戦争中とか直後本当に大変だったっていうしね」
「ものがないしね」
「空襲もあったし」
「治安も無茶苦茶になったり」
「そう考えたら」
理虹はさらに言った。
「今の私達ってね」
「幸せってことね」
「戦争でもないし」
「無茶苦茶な政権じゃないし」
「だからよね」
「災害はあるけれど」
これはというのだ。
「いきなりあるけれど」
「地震とかね」
「台風もあるし火事だってね」
「雷だって落ちるし」
「あと火山も噴火するし」
「こうしたのもないと」
災害もというのだ。
「尚更でしょ、それでこうして普通に暮らせたら」
「幸せね」
「そして幸せはあちこちにある」
「もうすぐそこに」
「貴重なものじゃないってことね」
「かな恵が言うにはね」
理虹はこう話した、そうしてだった。
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