第十九話 三つ葉のクローバーその一
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第十九話 三つ葉のクローバー
理虹は学校に行く途中に団地の中で足下にクローバーを見付けた、そのクローバーは三つ葉のものだったが。
学校に着くと部活の朝練の後で部室で自分と同じ一年生の部員達に話した。
「クローバー見付けたわ」
「三つ葉?」
「三つ葉だったら普通にあるでしょ」
「それこそ何処にも」
「うん、三つ葉だったわ」
着替えながら答えた、部活の時に着るジャージを脱いで制服に着替えるが下着の色は今日はピンクである。
「そのクローバーはね」
「いや、三つ葉だったらね」
「別に何でもないでしょ」
「ごく普通じゃない」
「三つ葉のクローバーなんて」
「それがかな恵が言うにはね」
今いる面々にも彼女のことを既に話しているので部室にいる高校からの娘達にもわかると判断しての言葉だった。
「三つ葉のクローバーも花言葉は幸福だから」
「いいの」
「四つ葉じゃなくても」
「それでも」
「そうみたいよ、だから三つ葉でもね」
それでもというのだ。
「構わないらしいわ」
「そうなのね」
「四つ葉じゃないと駄目と思っていたけれど」
「三つ葉でもいいのね」
「普通のでも」
「もう普通にあるね」
スカートを穿きながら言った、その前に今日はストッキングを穿いた。ストッキングの色は黒である。
「そうしたものみたいよ、幸福も」
「滅多にあるものじゃないの」
「幸せって」
「その辺りにあるの」
「そうなの」
「そうだってね」
その様にというのだ。
「言われたわ」
「へえ、そんなものなのね」
「何か童話の青い鳥みたいね」
「青い鳥は実はお家にいたってお話だったけれど」
「幸せの青い鳥はね」
「色々旅しても幸せは見付からなかったけれど」
理虹もその童話の話をした。
「それがね」
「その実は」
「それがなのね」
「クローバーも傍にあって」
「幸せもなのね」
「そうみたいね、傍にあるもので」
幸せはというのだ。
「それでかな恵が言うには平凡みたいね」
「普通のものね」
「その辺りにあって」
「そうしたものなの」
「それで北朝鮮なんかに生まれたら」
かな恵の言葉をそのまま言った。
「それだけで不幸だってね」
「あそこに生まれたらそうね」
「もう絶対に不幸よね」
「あの国に生まれた時点で」
「アウトよ」
他の部員達もそれはと頷いた。
「幾ら何でも」
「あとポル=ポトの頃のカンボジアも最悪よね」
「アフリカも変な独裁者多いしね」
「そんな頃のその国に生まれたら」
「最悪よね」
「戦争がある時に生まれたりとか」
理虹は仲間達の話を聞いて思った。
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