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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアG編
とっておきの”呪い”
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るように見えて、颯人は奏にこれ以上ないほど固執していたのだ。それはともすれば彼女を失っていたかもしれないという恐怖と、会いたくても会えない期間が長かったからかもしれない。

「……そっか、これがあの時言ってた”呪い(まじない)”なんだな」
「あぁ。俺はこの”呪い”をお前に掛けたい。…………掛かってくれるか?」

 ここまでいっそ傲慢なまでに奏を求め続けた颯人だが、最後の一線だけは奏に選択肢を与えた。だがこれは罠だ。颯人は敢えて最後の一線を奏自身に越えさせることで、彼女をより強固に自分に縛り付けようとしたのである。
 奏はその事に気付いていた。そして気付いていて、自分でその最後の一線を越える事を選択した。それはある意味で颯人にとっても”呪い”であったからだ。

「うん……掛けて。颯人の手で、颯人の口で……アタシに、”魔法”を掛けて……」

 奏は酒精を感じさせない顔で、颯人にそう告げた。顔色は酔った時と同じく赤いが、酔っている時とは違う澄んだ笑顔。
 その答えに颯人も澄んだ笑みを浮かべながら、奏の左手薬指に指輪を嵌めて、静かに告げた。

「奏……俺と結婚してくれ。今すぐでなくてもいい。身の回りが落ち着いたらで良いから……ずっと俺の隣に居てくれ」

 颯人からの正式なプロポーズ。それを受けて、奏の目から涙が一筋零れ落ちた。

「うん、いいよ。アタシも、颯人とずっと一緒に居る。もう……離れない!」
「奏――!」

 了承の答えに、颯人は抑えていたものを解き放つように奏に抱き着いた。その勢いに押され、奏はソファーに押し倒される。

「わぷっ……ふふっ、やっと言ってくれたね」
「悪い……待たせた」
「ううん、いいよ。信じてたから……」

 暫しお互いに抱きしめ合っていた2人だが、少しだけ体を離してお互い見つめ合うとそっと口付けをする。それまでの触れ合う程度の軽いキスではない、お互いを深く求め合うキス。

「ん――! ん、ふ――!!」

 その日、颯人と奏は互いを深く深く求め合った。
 まるで離れていた事で出来た互いの空白の時間を埋め合う様に…………









 こうして二人は、今まで以上に強い愛と言う名の絆で結ばれる事になった。

 その翌日、2人は何時も通り本部へ向かったのだが、奏の左手薬指に嵌った指輪の意味に了子がいち早く気付き、軽い騒ぎになるのだがそれはまた別のお話。
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