暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアG編
とっておきの”呪い”
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 颯人はその時、何気なく奏の手元をぼんやりと眺めていた。

 今奏は、本部での待機時間を響や翼との談笑で使っている。時に身振り手振りを交えながら、笑顔で仲間と話す奏。
 その右手には、相も変わらず以前颯人が奏を助ける為に嵌めさせたボンズウィザードリングがあった。本来であれば魔法を使う時だけ嵌めればいい、装飾部分が不自然なまでに大きい指輪。

 実は以前、このウィザードリングのデザインがどうにも気に入らなかった時期にウィズに訊ねた事があるのだ。
 その結果は、あれ以上装飾を小さくすると魔法が発揮できなくなるからデザインの変更は無理、と言うものだった。

 今となってはそれも納得しており、今さらウィザードリングのデザインに文句を言う事はしない。だがそれと奏が何時までもウィザードリングを付けている事は話が別だった。

 どうせ奏が身に付けるなら、あんな武骨な物よりもっといい物を身に付けてほしい。

 そう思った颯人は、気付いたら奏に声を掛けていた。

「なぁ奏」
「ん? 何?」

 突然颯人に声を掛けられ、奏はキョトンとした顔を彼に向ける。自分でも深く意識していなかった内の行動だったので、奏から返答があった時は颯人も内心僅かに狼狽えはしたがそこはプロ。咄嗟の事態にも素早く対応するだけの切り替えの良さを持っていた。

「今夜ちょっと空いてるか?」
「今夜? 何で?」
「ちぃっと渡しておきたい物があってな」

 颯人の問い掛けに、奏はその日と明日のスケジュールを思い出す。記憶にある限りでは、今日明日は特にこれと言った予定は入っていない筈だった。

 なので奏は特に問題ない事を颯人に告げる。

「あぁ、大丈夫だよ」
「よっしゃ。それじゃ今夜は帰りにそのままウチに送るから」

 こうして奏を家に招く事が出来た。その後の本部待機の間、颯人が妙にウキウキしていた事に何も知らない職員達は皆一様に首を傾げる事となる。

 そして颯人にとって念願の帰宅時間。颯人は本部がある港から、奏をマシンウィンガーの後ろに乗せて自宅のマンションに帰宅した。
 因みに夕食は本部の食堂で既に済ませている。ガルドが二課に参加し食堂で働く様になってから、本部の食事の質が向上した。お陰で今では本部の食堂は朝昼晩と大忙しの様だ。

「たっだいま〜っと」
「邪魔するよ」
「おぅ」

 そんなこんなで、帰宅した颯人と彼の家に上がる奏。家と言っても、子供の頃に暮らしていた実家ではない。あちらは諸々の問題が片付き、落ち着いてから帰る場所と決めている。それまでは時々帰って掃除するだけで済ませていた。
 故に、今2人が居るのは弦十郎に用意されたマンションの一室である。

 颯人の部屋は意外なほど片付いていた。以前少し言っていたが、商売道
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