暁～小説投稿ｻｲﾄ～:DOREAM BASEBALL ～夢見る乙女の物語～　流れの奪い合い

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DOREAM BASEBALL ～夢見る乙女の物語～　

流れの奪い合い
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「東英は何を狙ってますか？」
「共通じゃないのかもな。それぞれの得意な球種を狙わせてるのかもな」

三人目の打者もサードゴロに倒れ3アウト。打者一巡目を完璧に抑え込まれた東英学園を見て本部席もざわついていた。

「もしかしてまた番狂わせが……あ……」

思わず口に出たその言葉に多くの視線が突き刺さったことで青年は口を閉ざす。

（このままあいつが終わらせるかよ。何か対策を講じてくるはずだ）

ベンチで静かに試合の様子を見ている指揮官。彼の方を見ながら真田はそんなことを考えていた。

莉愛side

「ボール！！フォア！！」

嫌な流れが立ち込め始めている東英。それを象徴するようにエースの後藤さんが先頭打者に対してフォアボールを出してしまう。

「せっかく九番からの打順だったのに……」
「球はキテるんだけどなぁ」

伊織さんと栞里さんの言う通り、カウントもフルまでいっていたためなおさら勿体なく感じる。しかも次は初回にヒットを打っている前島さん。

セットポジションに入る後藤さんは一度牽制を挟んでからの投球。初球は外角に決まるストレートで1ストライク。前の回からギアを上げていることもあり、前島さんも手を出せずにいるようだった。

続く投球。しかしここで常成は動きを見せる。後藤さんの脚が上がると同時にランナーが盗塁を仕掛けたのだ。

「エンドランか？」

大河原さんはキャッチャーとしての能力がどれも高い。そんな彼女から盗塁を奪うのは至難の業なためてっきりエンドランを仕掛けると思った。それなのに、打者は一切動きを見せず平然と見送る。

「優樹菜！！」

当然これを見逃すわけはないと送球する大河原さん。際どいタイミングだったが、ランナーである早坂(ﾊﾔｻｶ)さんの脚がわずかに勝りセーフとなった。

「危なっ！！」
「失敗したらヤバかったよ」

優愛ちゃん先輩も明里さんも声を出していた。それだけ今のプレーは際どかった。失敗していたら今までのいい流れを全て壊しかねないほどのギャンブルスチール。しかしこれが決まったことにより、常成ベンチはなおのこと盛り上がっている。

「理沙のクイックが遅かったのもあるな」
「まさか走るとは思わなかっただろうしな」

盗塁成功の要因の一つはエース後藤さんがクイックで投げなかったこと。左投手であるためランナーが見えるからそのまま牽制してくれればよかったのだけど、それもせずに脚を上げて投げたためにわずかに間に合わなかった形になったのだ。

しかしそこは日本代表のエース。これ以上の得点は許さないと言わんばかりに前島さんを空振り三振に仕留めてみせた。

「飛ばすなぁ」
「強引に流れを引

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