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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
流れの奪い合い
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決勝で敗退。それに続いて東英も負けたとなれば東京の女子野球の勢力図が変わりかねない。そう思っているのか、後ろの方からそんな声が聞こえてくる。

「このまま(アイツ)が黙っているわけないだろ」
「あの投手なら二順目には捉えてくるだろうしな」

陽香さんと莉子さんはそれに面白くなさそうにしていた。その雰囲気を察したのか、この回の後藤さんの投球は鬼気迫るものを感じた。

先頭打者をストレートとスライダーを駆使して空振り三振に仕留めると、続く打者にはスローカーブを打たせてセカンドゴロ。そして三人目は全ての球種を駆使して空振り三振でこの回を圧巻の投球で抑えベンチへと戻っていく。

「わかりやすくギア入れ替えてきたね」
「これなら東英はあの2点さえ追い付けばいい。気持ちが楽だろうね」
















第三者side

「これは予定通りでいいの?カミュ」
「あぁ。ここまで単純だとやり易くてありがたいねぇ」

明宝学園から離れたところに座っている桜華学院。そこではリュシーとカミューニがそんな話をしていた。

「究極のピッチングは打たせて取るピッチングでしたもんね」
「それが一番難しいと思うんですが……」
「だから究極のピッチングなんですよ。そうですよね?」

明るい茶髪のショートボブの少女の言葉にメガネをかけた黒髪のツインテールの少女と同じくメガネをかけた白髪のウェーブがかったセミロングヘアの少女が口を開く。

「まぁそれもあるけど……一番は三振を取ることによって起きるデメリットを減らすことだな」
「デメリット?」
「そんなのがあるんですか?」

丸メガネをかけた紫髪のおさげの少女と金髪のショートヘアの少女が問いかける。それに青年は頷いてみせるが、答えようとはしない。

「あれ?もしかして前聞いたことあるっけ?」
「ヤバい……覚えてない……」

青年の反応から何かを察知した少女たちは慌てて話し合いを開始する。そんな彼女たちの姿を横目で確認した青年は懸命に笑いを堪えていた。
















ギンッ

詰まった当たりがショートの頭上へと上がる。それを両手を広げて待ち構えていた少女は、ガッチリとそれを捕球していた。

「う〜ん……」

それを見て思わず唸る佐々木。そこにいた全員も同じように今の当たりを見てタメ息を漏らしていた。

「打たされてる感じがするなぁ」
「狙い球は厳しいコースに集めてるのかもしれないですね」

振ってきそうなボールはとにかく厳しいコースに集め簡単には打たれないようにしている印象を与える常成学園のバッテリー。続くバッターも難しいボールを打たされファーストゴロに倒れる。

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