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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
流れの奪い合い
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第三者side

キンッ

五番打者が内角のスライダーを捉えたものの打球はサードの正面。サードゴロに倒れこの回はボテランでの2点で東英学園は凌ぐことができた。

「気にしなくていいぞ、あんな戦法が何回も通用してたまるか」

普段とは異なる常成学園の戦法に半ばキレ気味の町田が顔色が悪くなっている後藤に声をかける。他の選手たちも彼のその言葉に苦笑いを浮かべていたが、その気持ちもわかるといったように言葉を飲み込む。

「攻撃面だけど……ちょっと攻め方を変えるか」
「というと?」
「今日の常成はなんか引っ掛かる。昨日ミーティングした攻め方は忘れて自由に打ってみてくれ」
「その間に狙い球を絞るってこと?」
「あぁ。ただし自分の得意なボールはしっかりと捉えていけよ。相手にプレッシャーをかけてこい」

その指示を受けて打席へと向かう大河原。マウンド上の上原は強打者である彼女に対しスライダーを投じる。それに彼女は反応するが、外に逃げていったために空振りに終わる。

(瞳はスライダーに的を絞ったか。ここまでの傾向を考えると悪くない判断だな)

続くボールもスライダー。大河原はこれを見送り1ボール1ストライクとなる。

(次はストレートだったっけ?内角に甘くてもいいからっと……)

変化球を続けた直後に内角へのストレート。外に意識が向いていた大河原はこれに仰け反るが判定はストライク。

(スライダーに釣られちゃった。カッコ悪ッ……)

一度深呼吸をしてからバットを構える。気を引き締めた打者に対してバッテリーが選択したのは低めへのチェンジアップ。

(大丈夫!!待てる!!)

前のストレートの残像で体勢が崩れた。しかし鍛えた下半身の強さでギリギリまで持ちこたえると身体の前でそれを捌いた。

バシッ

快音を残した打球だったがショートの正面へのライナーに終わる。アウトになった瞬間、大河原は立ち止まり深いタメ息をついた。

(運が悪かったか?いや、でもショートも待ち構えたような感じだったような……)

不運にも見えた打球。しかしそれは町田に大きなヒントを与えるアウトになっていたことにこの時は誰も……町田自身にも気付いていなかった。
















莉愛side

ギンッ

セカンドゴロに倒れる背番号14の後藤千紗さん。鈴川さんもライトへのフライに倒れていたため東英はまたしても三者凡退に倒れていた。

「流れが悪いな」
「この回もし失点するようなことがあったら大変なことになるかもしれないぞ」
「大変なことって?」
「優勝候補だった日帝大と東英……両方が負けるってことだよ」

秋も春も順当に勝ち上がってきた二校。しかし既に日帝大は準々
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